カヌーと物理が好きな女子高生が、JICAの青年海外協力隊員としてタイでプログラミングの先生になった話:Go AbekawaのGo Global! 森見真弓さん from 日本 to タイ(前編)(1/2 ページ)
幼少期から「ものづくり」と科学技術に魅せられた森見真弓さん。カヌーとアンテナに熱中した学生時代から、ハードウェア、ソフトウェアの開発に熱中したエンジニア時代を経て、青年海外協力隊のメンバーとしてタイに赴任した彼女の、行動の原動力に迫る。
グローバルに活躍するエンジニアを紹介するインタビュー連載「Go Global」。今回ご登場いただくのは、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員としてタイでのプログラミング教育に携わった森見真弓さんである。
前編では、彼女がどのようにしてエンジニアの道へ進み、海外での挑戦を決意したのかをたどる。幼い頃からの「ものづくり」への情熱と「開発」へのこだわりが、彼女をタイへと導いた。
聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
幼少期から芽生えた「ものづくり」への情熱
森見真弓さんは幼少期の自分を、小学生、中学生の頃はミニ四駆のパーツを秋葉原に買いに行って、チューニングしたり、科学技術博物館が好きだったり、「帰りたくないって泣くほど、実験も好き」なテクノロジー大好きっ子だったと語る。
ミニ四駆にのめり込んだのは小学4年生の頃で、「やってみたいと父に相談したら、『じゃあ秋葉原にパーツを買いに行こう』って言ってくれたんです」という。子どもの興味の芽を育て応援する父親の姿勢が、彼女の興味を後押ししたことがうかがえる。
そんな父親は、COBOLを得意とするソフトウェアエンジニアであった。それ故か、森見家には小学生の頃からPCがあり、「小学生や中学生の頃は勉強ソフトなどを買ってきてくれて、それを使ってPCで勉強していました」と、幼い頃からデジタル機器に触れる機会に恵まれていたことを振り返る。PCの他に「ファミコン」(ファミリーコンピュータ)やワープロなども幼少期から家にあったそうだ。
一方で、授業終了と同時にランドセルを投げ出して、校庭で男子生徒とバスケットボールや野球をするなど、「もっぱら体を動かすのが好き」な活発な小学生でもあった。
中学時代もバスケットボールを続け、高校ではカヌー部に入部する。カヌーはそれまでにやったことのない競技に挑戦したいという思いから選んだものだ。
練習場所が学校の近所になかったため、毎日戸田漕艇場(戸田ボートコース)に通って練習に励んでいたという。女子部員は少なかったものの「女子の方が強かったです」と語る。高校3年間カヌーを続け、「関東は優勝して、全国は準決勝まで行きました」という輝かしい成績を収めた。
高校時代はカヌーの練習に明け暮れ、「日々筋トレしてカヌーしてという感じだったので、学校では数学と物理――好きな教科しか勉強しませんでした」と語るが、その好きな科目で高い成績を収めていたことがうかがえる。
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