71.6%のエンジニアが業務にAIを「ほぼ使っていない」 ITエンジニアのAI活用調査:「業務の半分が4年以内にAIに代替される」と予測するも
Value marketが発表した「ITエンジニアのキャリアとAI活用に関する意識調査 2025」によると、35.2%のエンジニアが、生成AIの業務代替時期を「4年以内」と予測した。
生成AI(人工知能)の進化が著しい昨今、「コードの一部をAIに書かせる」など、業務に活用しているエンジニアがいる一方で、業務での活用は限定的、もしくは皆無というエンジニアも多数存在する。その違いは、どこにあるのだろうか。
Value marketが行ったITエンジニア609人を対象とした意識調査によると、生成AI(人工知能)による業務代替の時期について、全体の35.2%が「4年以内」と予測していることが明らかになった。
一方で、生成AIを「本格的に活用している」と回答したエンジニアは28.4%にとどまり、多くのエンジニアがAIの可能性を感じながらも、実際の業務活用はまだ限定的であることが示されている。
生成AIによる業務代替への予測
今回の調査で最も注目すべきは、業務の50%以上が生成AIに代替される時期についての予測である。「既に始まっている」(12.0%)、「1〜2年以内」(9.4%)、「3〜4年以内」(13.8%)を合わせると、全体の35.2%が4年以内に大きな変化が起こると考えている。
しかし、最も多い回答は「分からない」(21.5%)であり、AIの進化が予測困難であるという見方も多数を占めていることが分かる。これは、ITエンジニアがAIの影響を身近に感じつつも、その具体的な影響範囲やスピードについては不確実性を感じている現状を表している。
業務における生成AIの活用状況
生成AIの実際の活用度については、約7割(71.6%)のエンジニアが「まったく使っていない」(39.2%)か「参考程度」(32.4%)にとどまっている。
しかし、業務アウトプットの20%以上を生成AIが担っている「本格活用層」も28.4%に達しており、一部のエンジニアは既にAIを日常業務に深く取り入れていることが判明した。このギャップは、今後のキャリア形成においてAI活用能力が重要な差別化要因になる可能性を示唆している。
今回の調査からは、多くのITエンジニアが生成AIの進化を業務変革の大きな波として捉えつつも、その具体的な影響については不確実性を感じている実態が明らかになった。また、AI活用が一部のエンジニアにとどまっている実態も分かった。
企業のビジネス形態として、自社開発をしている企業は活用を推奨しており、受託開発などのクライアントワーク企業は慎重な姿勢を見せる傾向もあるが、それ以上に、個々のエンジニアの危機感や意識の持ち方がその差を広げているように見える。他の先端技術同様、AI活用のトライ&エラーは「業務外」でもできるはずだ。
今後ITエンジニアには、AI技術を単なるツールとしてではなく、自らの業務やキャリアを再定義するパートナーと捉え、能動的に活用していく姿勢が求められるだろう。
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