プログラミングをもっと学びたい。だって“楽しい”から:Go AbekawaのGo Global! アマルさん from モロッコ(後編)(1/2 ページ)
新しいスキルを勉強するのが楽しい。練習することも楽しい。プログラミングの練習がとっても楽しい。
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もアドックインターナショナルのエンジニア、amal hannouda(アマル・ハノウダ)さんにお話を伺う。風の町「エッサウィラ」で生まれ育ったアマルさんは、マラケシュ、ラバットの大学で数学を学ぶ。学ぶことが大好きな彼女は、「学びやすい」環境を求めて日本の大学院に進学する――。
聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
日本の教育システムは効率的で学びやすい
阿部川“Go”久広(以下、阿部川) モロッコで生まれ育ち、大学卒業後も地元で数学教師などの仕事をしていたアマルさんは、その後日本にいらっしゃいます。何で日本に来ようと思ったのですか?
amal hannouda(アマル・ハノウダ 以下、アマルさん) 日本に最初に来たのは弟です。日本の大学院に留学したのです。弟と電話で話すうちに、日本が暮らしやすいことや、教育システムが効率的で学びやすく、しかも費用も安いことを知りました。その頃、私は海外でデータ分析を学びたいと考えていたので、日本に興味を持ち始めました。
阿部川 最初は日本語学校へ通います。どうやって、ここの学校を見つけたのですか?
アマルさん インターネットで調べて、いろいろな学校に問い合わせました。評判の良い学校がいいなと思って。
阿部川 納得のいく選択をしたかったのですね。こちらで2年ほど日本語を勉強した後に、京都情報大学大学院に進学します。もっと勉強したかったのですか?
アマルさん はい、そうです。京都の大学院では、統計学、データ分析とデータサイエンスを勉強しました。私は数学の先生だったので、以前は「Microsoft Exel」を使って情報を分析していましたが、大学院では「Python」をプログラミングしてデータ分析しました。それからずっと、データ分析に興味を持っています。
多国籍チームの共通語は「日本語」
阿部川 データ分析の勉強をして2年で卒業したんですね。卒業後すぐに今の会社に入社したのですか?
アマルさん はい。卒業後にアドックインターナショナルに就職し、1年半ぐらいたちます。
阿部川 日本で働くのは初めてですよね。どうですか?
アマルさん 大学院で勉強していた時に、インターンとして日本の会社で働いたことがあります。そのときはまだ日本語が流ちょうではなくて、うまくいかないことがあったのですが、アドックはインターナショナルな会社なので、外国人は私だけじゃない。韓国人、米国人、ネパール人といろいろな外国人が働いていますので、以前ほど不便は感じていません。
アドック広報 2025年4月に新入社員が5人入社して、うち3人が外国の方です。従業員150人のうち10人ぐらいが外国籍ですが、モロッコ出身者はアマルさんだけです(編集部注:インタビューには広報担当者が付き添い、アマルさんが分からない単語があると適宜サポートをしていました。めいっ子を見守るような温かい雰囲気が印象的でした)。
阿部川 今はどんな仕事をしているのですか?
アマルさん 社内の質問やドキュメントにAI(人工知能)で自動回答するアプリ開発に携っています。自分で必要な情報を探すと時間がかかるけれど、そのアプリを使えばすぐに必要な情報を得られるので、多くの従業員に使ってもらえるように考えています。
阿部川 他のエンジニアと一緒に仕事をしているんですか?
アマルさん はい。プロジェクトメンバーは、日本人2人と米国人と韓国人、それにモロッコ人の私の5人です。
阿部川 すごいチームですね。日本人が使うための日本語のアプリケーションを、米国、コリア、モロッコの方が作っている。エンジニア同士のコミュニケーションは何語ですか?
アマルさん 日本語です。分からない時は簡単な日本語で試します。
阿部川 分からなかったら英語になったり韓国語になったりしないのですか?
アマルさん 英語が時々。でも英語ができない時は私には分かりませんので、米国人のリーダーに確認しています。
阿部川 そうだよね。5人のチームは仲良くやってますか?
アマルさん みんな優しいです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
私はアマル(希望)、風の町から来ました
世界中のサーファーが集う「風の町」で生まれ育った少女は、大好きな数学を学ぶために実家を離れ、スークの町に降り立った。IoTならエジプトの諸問題を解決できる、そして学ぶなら日本がいい
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はJICOOのWael Saad Mohamed(ワエル・サード・ムハンマド)さんにお話を伺う。エジプトから見れば、遠く地の果てに思える日本。ワエルさんはなぜそんな異国の地を目指したのか。9時から17時までなんて日本人は働き過ぎ
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もJICOOのWael Saad Mohamed(ワエル・サード・ムハンマド)さんにお話を伺う。IoTを学ぶため日本の大学院に入学したワエルさんは、急速に日本文化になじみ、その交友関係を広げていった。ガチのゲーマーがITエンジニアを夢見るようになるまで
ファミコン、スーパーファミコン、セガサターン、プレイステーション――私は、ほぼ全てのゲーム機器を制覇してきた生粋のゲーマーでした。私には夢がある 日本とサウジアラビアの架け橋になるという
「戦国無双」で日本の歴史に興味を持ち、戦国時代や江戸時代を勉強してきました。そんな私が日本に来るのは必然でした。