「シン・スペシャリスト」は1日にしてならず:人格のスペシャリスト最強説(1/2 ページ)
スペシャリストには覚悟が必要――未来が予測できない現代において、己の地位と権力とHPと幸福度を爆上げするためにエンジニアがすべきことを、IT業界30数年の「かねくに」が暑苦しく伝授する本連載。今回は「スペシャリストとは何か」を解き明かします。
SIerのSEと営業、複数のネット金融をへて某ネット金融機関のCIOとなったIT業界30数年「かねくに」が、エンジニアを採用したり評価したり、一緒に泣いたり笑ったり見守ったりしてきた思いを詰め込んで実践的なアドバイスをお贈りする「エンジニアのHP(Hit Point)爆上げ戦略」。前回はイケてるエンジニアになるための心構えやノンテクニカルスキルをお伝えしました。
ここからは、エンジニアの2大進路「スペシャリスト」「ゼネラリスト」について、詳しく解説します。今回は「真のスペシャリストとは何か」を、IT業界30数年の「かねくに」が暑苦しく解き明かしていきます。
スペシャリストは「覚悟」の証し
前回、HPアップ方法として「『悪いところ』に目をつぶって『良いところ』をものすごく伸ばす」を選択した人はスペシャリストの素養があると書きました。しかし、この選択をした人全員がスペシャリストになれるかというと、そうではありません。
なぜならば、スペシャリストになるには、「覚悟」が必要だからです。
多くの人はスペシャリストに対して、その分野のプロとしてのアドバイスや活動を期待しています。その期待に応えられない人は「自称スペシャリスト」です。
スペシャリストになるためのファーストステップは、1つの分野で深みを求め、貫き、成果を出すことです。多くの人に認めてもらえる成果を出すためには、徹底的に鍛錬することが必要です。そこまで自分を鍛錬する覚悟、できていますか?
「想像力」がスペシャリストをより高みへ
「スペシャリストにオレはなる!」と決意し、徹底的に鍛錬すると覚悟を決めたら、次はどの分野のスペシャリストになるかを考えましょう。はやり廃りの激しいIT業界において、取れる選択は3つにしぼられます。
- 広く利用されている分野のスペシャリストを目指し、長い間スペシャリストとして活躍し続けていく
- 短命であっても、レアな分野のスペシャリストを目指す
- 今後はやりそうな分野のスペシャリストを目指す
「1」は競争が激しいけれどもニーズは高いので、スペシャリストの一歩手前でも重宝されます。ただし本当のスペシャリストになるにはハードルが高い選択肢です。
「2」は、競争は激しくありませんが、ニーズが低いのでせっかく勉強しても活躍の場が少ない可能性があります。ただし、本当のスペシャリストになれる可能性は高いでしょう。
「3」は、ある意味賭けです。「1」にも「2」にもなる可能性があるからです。どちらにしても、先行者としてのメリットを享受しやすく、賭けに勝てば第一人者として活動できるかもしれません。
「1」から「3」のどれを選択するか決める際には、「自分に対する冷静な分析をすること」「世の中では今後どういうものが求められるのか」「自分のキャリアプランや生活にとってそれはどう影響してくるのか」を、想像力をしっかり働かせて考えることが大切です。
想像力は、普通に過ごしていても磨かれません。いろいろな情報に触れ、感性を磨いてください。人の先を目指すなら情報取得のスピード感も大切です。海外の情報を得る必要がありますので、英語は必須です。ぜひ、技術と併せて勉強してください。
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