ITエンジニアの定着を阻むのはスキル? 給与? “見えない壁”の中身がレバテック調査で判明:69.1%の企業が「定着率が改善した」と回答した施策とは
レバテックは、「IT人材の採用・定着に関する実態調査」の結果を公表した。それによると、調査対象となった企業の半数以上が「採用時の見立てと活躍状況にギャップを感じている」と回答した。
レバテックは2025年6月10日、「IT人材の採用・定着に関する実態調査」の結果を公表した。この調査は、IT人材を採用する企業担当者を対象に実施したもので、284人から有効回答を得た。それによると、企業とIT人材の間にスキルギャップなどのミスマッチが生じていることが分かった。
IT人材に感じるギャップの中身は?
調査結果によると、64.8%の企業が「採用時の見立てとギャップがあった」と答えた。「採用後に感じた具体的なギャップ」について聞くと「候補者のスキル、経験が期待よりも不足していた」が最も多く、39.1%。次いで「アサインされた業務と候補者の志向がマッチしていなかった」(32.6%)、「自社のカルチャー、価値観とのフィット感が薄かった」(15.2%)などが挙がった。
こうしたギャップは企業側だけでなく、採用されたIT人材も感じている可能性がある。IT人材の早期離職(入社3年以内の離職)が企業の課題として浮上しており、企業の41.9%は「直近3年間で早期離職の割合が増加した」と回答した。早期離職の理由を尋ねると「技術的な成長が感じられない」(22.7%)、「アサイン案件、技術領域が希望と異なる」(17.6%)など、成長するための環境や業務内容への不満が中心だった。
こうした背景を踏まえ、企業はIT人材の定着率を向上させるための施策を実施している。「施策を実施している」と答えた企業は66.2%で、具体的な施策としては、「キャリア面談、1on1の実施」(39.4%)、「メンター制度やオンボーディング強化」(36.7%)、「社内エンジニアの技術勉強会、交流会」(34.0%)などが挙がった。実施した施策の中では“社内エンジニアの技術勉強会、交流会”の効果が高く、69.1%の企業が「定着率が改善した」と回答した。
定着率を高める上で最も重要な要素について聞くと「スキルアップの機会」が最も多く、30.0%。次いで「適正な評価制度」(17.7%)、「業務内容の面白さ」(16.2%)などが挙がった。レバテックは「金銭的報酬だけでなく、成長できる実感や評価への納得感がIT人材の長期的な活躍と定着に影響している」と分析している。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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