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「シン・スペシャリスト」は1日にしてならず人格のスペシャリスト最強説(2/2 ページ)

スペシャリストには覚悟が必要――未来が予測できない現代において、己の地位と権力とHPと幸福度を爆上げするためにエンジニアがすべきことを、IT業界30数年の「かねくに」が暑苦しく伝授する本連載。今回は「スペシャリストとは何か」を解き明かします。

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世界はスペシャリストだけでは回らない

 スペシャリストになる決意をし、方向性を定め、覚悟を持って努力し続けてスペシャリストになれたとしましょう。その際に忘れないでほしいことがあります。「世界はスペシャリストだけでは回らない」ということです。

 スペシャリストは何らかの分野の第一人者です。しかし、全員がスペシャリストでは仕事は回りません。スペシャリストと協力して幅広い分野に対応する人々が必要です。

 仕事がうまくいく秘訣(ひけつ)は、コミュニケーションです。仕事がうまくいかないときに威力を発揮するのはが、日頃のコミュニケーションです。スペシャリストの誇りが先行して周りと壁を作ってしまったら、いざというときに本来の能力を発揮できません。

 ちなみに「人格のスペシャリスト」は自然と周りに尊敬されます。ぜひ目指してください。

「説明する力」でシン・スペシャリストへジャンプアップ

 エンジニアにありがちな癖、それは「専門用語を多用すること」です。

 英語の略語やはやりの技術用語など、魅力的な「専門用語」はたくさんあります。これらを利用する魅力に勝てるエンジニアは少ないでしょう。技術にこだわりのあるスペシャリストでしたら、なおさらです。

 でも、それでいいのでしょうか?

 スペシャリストにとってコミュニケーションは、大切なスキルです。そのコミュニケーションにおいて大切なのは「相互理解」です。非エンジニアが理解できない専門用語の多用は相互理解の妨げにしかならず、良い結果を生みません。

 では、スペシャリスト中のスペシャリスト「シン・スペシャリスト」だったらどうでしょう?

 私の知っているシン・スペシャリストは、専門用語も使いますが、相手が分かるようにアレンジしたり補足したりします。それは、求められる結果を出すことがスペシャリストの仕事であることを理解しているからです。



 技術には、はやり廃りがあります。あなたのスペシャリストとしてのポジションに危機が訪れることは珍しくなく、近年のクラウド/AI時代ではそのタームが短くなっています。

 シン・スペシャリストを目指すなら、ターニングポイントの兆候を見逃してはいけません。そして、ターニングポイントが来ると察したら、素早くトランスフォームする準備をすべきです。

 あなたがいまスペシャリストであることは素晴らしいことです。でもそれよりも素晴らしいのは、あなたがスペシャリストになるに至った過程です。その過程を応用して、新しい分野のスペシャリストになるために新たな挑戦をする。そのときあなたは名実ともに、シン・スペシャリストになるでしょう。

筆者プロフィール

かねくに

かねくに

某ネット金融機関のCIO

大学卒業後、SIerでSEと営業、その後複数のネット金融をへて現職。システム部門だけでなく、コンプラやリスク管理、事務部門も経験している。自称「スペシャルなゼネラリスト」


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