北千住で日本語をめっちゃ覚えました:Go AbekawaのGo Global! ジュリアンさん from フランス(後編)(1/2 ページ)
「やったー!」とガッツポーズできるようなイケてるサービスを作りたいんです。
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もペイメントフォーのシステムエンジニア、Julien Descombes(ジュリアン・デコンブ)さんにお話を伺う。クモは嫌いだけれどWeb(クモの巣)に魅了されたジュリアンさんは、北千住のシェアハウスで、日本でのWebエンジニア生活をスタートする。
聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
北千住に上陸
阿部川“Go”久広(以下、阿部川) 日本に来たのは2015年ですね。
Julien Descombes(ジュリアン・デコンブ 以下、ジュリアンさん) はい。当時まだ25歳と若かったので、別の国でチャレンジしてみようと思いました。英語圏の国は興味がなく日本が好きだったので、ワーキングホリデーで来てみました。合わなかったら、数カ月の旅行だったということにしようと思って。
阿部川 英語圏ではない国は他にもたくさんあるのに、なぜ日本を選んだのですか?
ジュリアンさん 日本はフランスとのつながりもありますし、若い時から日本のアニメや音楽が好きでした。日本語の音が好きです。
阿部川 アニメや音楽はどんなのを見ていましたか?
ジュリアンさん たくさんありますね。ガチポケモン世代なので、『ポケモン(ポケットモンスター)』や『デジモン(デジタルモンスター)』を見て育ちました。16〜17歳くらいになると『NARUTO -ナルト-』を日本語音声/フランス語字幕で見ました。気に入ったアニメが英語字幕しかなくて、夏休みの間に英語を学びました。
阿部川 理想的な勉強方法ですね。日本で最初に住んだのはどこの町ですか?
ジュリアンさん 北千住です。渋谷より上野や秋葉原が好きで、探していたら北千住が出てきました。最初は部屋を借りるのが難しそうだし、知り合いがいないのでシェアハウスを選びました。住人は9人。外国人と日本人が半々、男女比も半々でした。
阿部川 いいところを見つけましたね。
ジュリアンさん 外国人の住人も日本語を話せたので、よく教えてもらいました。フランス人とドイツ人が日本語で話しているんです。
阿部川 いいなあ(笑)。
ジュリアンさん そのシェアハウスに3年ほど住んで、いまは同じく北千住で1人暮らししています。
技術は分かるが日本語が分からない
阿部川 来日してシェアハウスを見つけて、仕事もすぐに見つかりましたか?
ジュリアンさん 最初の4〜5カ月は観光客のように過ごしましたが、お金がなくなってしまいました。それで就職するか帰るかとなり、スタートアップ企業で業務委託として働き始めました。
阿部川 やはりWebでしたか?
ジュリアンさん そうです。技術やフレームワークは分かるのですが、日本語が分からなくて。ドキュメントを見たら「それか!」と分かるんですけれど。仕事関連の日本語のいい勉強になりました。日本語が分からないのに、業務委託だから確定申告していました。
阿部川 日本人だって分からないのに!
ジュリアンさん 税務署の方が親切でいろいろ教えてくれました。でも、もう二度とやりたくありません。
阿部川 仕事をしながら、日本語も学んでいったんですね。
ジュリアンさん 日本語は北千住の町でもめっちゃ覚えました。
阿部川 「北千住の飲んだくれ」の異名もあるそうですが、飲み屋にはよく行くのですか?
ジュリアンさん はい、北千住は好きな町です。居酒屋もバーも行きます。そこでいろいろな会話をして、日本語を覚えました。
阿部川 北千住が好きなフランス人なんてオツなものですな。
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