プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2025年8月版が公開された。「これ以上成長できない」という意見もあったPythonだが、AIコードアシスタントの影響でさらに評価が上がっているという。
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ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2025年8月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2025年8月のランキングでも「Python」の独走は続いている。
TIOBE Softwareによると「『Microsoft Copilot』『Cursor』『Google Gemini Code Assist』などのAIコードアシスタントが、Pythonのような人気言語の開発効率を20%以上向上させる」という研究結果があるという。Pythonを使う開発者の生産性が向上した結果、Pythonの需要と人気が増え、TIOBEインデックスでも評価値が8.1%上昇した。ただし、レーティングそのものは26.14%で、同年5月から3カ月続いた“過去最高記録の更新”はストップした。
一方、2位の「C++」とのレーティング差は16.96ポイントで、Pythonが2025年7月に記録したTIOBEインデックス史上最大のレーティング差17.18ポイントに次ぐ数値となっている。
2025年8月のランキングの2〜6位は、C++(9.18%)、「C」(9.03%)、「Java」(8.59%)、「C#」(5.52%)、「JavaScript」(3.15%)となった。
2位のC++のレーティングは、2024年4、5月以来低い水準にあり、3位との差は同年7月と変わらず0.15ポイントだ。CとJavaの3、4位は、2025年4月に入れ替わって以来5カ月連続。2024年6月以来、Python(1位)、C++(2位)、C#(5位)、JavaScript(6位)は同じ順位だ。
2025年7月は7位だった「Go」は、8位だった「Visual Basic」と順位が入れ替わったものの、レーティング差は1.00ポイントから0.22ポイントと縮小した。2025年7月に9位だった「Ada」は8月に13位へと順位を落とし、13位だった「Perl」は9位に上昇した。
Adaの動きについてTIOBE Softwareのポール・ジャンセン氏(CEO)は、NVIDIAのGPUアーキテクチャ「Ada Lovelace」がAdaの検索数に影響し、一時的に上位にランクインした可能性があると分析している。そこで同社は、Adaの検索語に「-NVIDIA」を追加してNVIDIA関連の話題を除外した。その結果、ランキングが13位に下がったとしている。
21〜50位までのランキングは以下の通り。
51位から100位については、それぞれのレーティング差が比較的小さいため、アルファベット順に列挙するのみとする。
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが最新のものであるかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。