プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2025年5月版が公開された。首位のPythonがPython史上最高のレーティングを獲得、2位との差もTIOBEインデックス史上最大となった。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2025年5月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2025年5月のランキングでは、首位を独走している「Python」が25.35%のレーティングを獲得し、同言語として過去最高を更新した。2位の「C++」との差も15.41ポイントに広がり、TIOBEインデックス史上最大となった(これまでの最大は、Pythonが2024年12月に記録した13.02ポイント差)。
TIOBEインデックスのレーティングの過去最高値は、「Java」が2001年6月に記録した26.49%。TIOBE Softwareによると、今回のPythonの25.35%を過去に上回ったのは、この2001年6月と同10月のJavaだけだ。2001年6月は、現在の形式でTIOBEインデックスの算出を開始した月であり、対象言語は25しかなかったという(現在は150以上)。
2025年5月のランキングの2〜6位は、C++(9.94%)、「C」(9.71%)、Java(9.31%)、「C#」(4.22%)、「JavaScript」(3.68%)となった。
CとJavaの3、4位は、2025年4月に入れ替わって以来2カ月連続。2024年6月以来、Python(1位)、C++(2位)、C#(5位)、JavaScript(6位)は同じ順位となっている。また、「Go」(2.70%)は2025年2月を除けば、2024年11月以降、Goとして過去最高の7位を維持している。
TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、圧倒的な強さを見せているPythonについて、「他の言語がまだ存在している理由は、Pythonはパフォーマンスが低いことと、インタープリタであるため、予期せぬランタイムエラーが発生しやすいことにある。つまり、安全性が重要なシステムやリアルタイムシステムでは、まだ他の言語に頼らざるを得ない。ただし、他の大抵の分野では、Pythonはゆっくりとだが確実に、トップへの道を見つけつつある」と述べている。
TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。
以下のリストは、51位から100位のプログラミング言語を示している。これらの言語のレーティング差は比較的小さいため、アルファベット順に列挙するのみとする。
「ActionScript」「Algol」「Alice」「APL」「bc」「CHILL」「CL(OS/400)」「Clipper」「CLIPS」「Clojure」「Crystal」「Curl」「Eiffel」「Elm」「Erlang」「F#」「Forth」「Groovy」「Hack」「Icon」「Inform」「Io」「JScript」「LabVIEW」「Ladder Logic」「Modula-2」「Mojo」「MQL5」「NATURAL」「Nim」「OCaml」「Occam」「OpenCL」「PL/I」「PostScript」「Q」「Ring」「S」「Scheme」「Smalltalk」「SPARK」「Stata」「Tcl」「Transact-SQL」「Vala/Genie」「VHDL」「Wolfram」「X++」「Xojo」「Zig」
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.