プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2025年6月版が公開された。首位のPythonが2カ月連続でPython史上最高のレーティングを獲得した一方、SQLは過去最低の12位に転落した。
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ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2025年6月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2025年6月のランキングでは、独走が続く「Python」のレーティングが25.87%となり、2カ月連続で同言語として過去最高を更新した。2位の「C++」との差も15.19ポイントで、TIOBEインデックス史上最大の水準にある(これまでの最大は、Pythonが2025年5月に記録した15.41ポイント差)。
2025年6月のランキングの2〜6位は、C++(10.68%)、「C」(9.47%)、「Java」(8.84%)、「C#」(4.69%)、「JavaScript」(3.21%)となった。
CとJavaの3、4位は、2025年4月に入れ替わって以来3カ月連続。2024年6月以来、Python(1位)、C++(2位)、C#(5位)、JavaScript(6位)は同じ順位となっている。また、「Go」(2.28%)は2025年2月を除けば、2024年11月以降、Goとして過去最高の7位を維持している。
一方、「SQL」の2025年6月のランキングは、同言語として過去最低の12位(1.55%)となった。2018年以降、SQLは主にトップ10の下位を占めていた。
TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏はこれについて、次のように指摘している。
「SQLは今後も数十年にわたって、データベースの基盤を成す共通言語であり続けるだろう。だが、現在急成長しているAI(人工知能)分野では、データは通常、構造化されておらず、NoSQLデータベースの方が適している場合が多い。JSONやXMLといったデータ交換フォーマットを使用するNoSQLは、明確に定義されているが静的なSQLのアプローチにとって、重大な脅威となっている。NoSQLの人気は、C++やJavaのような明確に定義された静的型付けプログラミング言語に対する、Pythonのような動的型付け言語の台頭になぞらえることができる」
21〜50位までのランキングは以下の通り。
51位から100位については、それぞれのレーティング差が比較的小さいため、アルファベット順に列挙するのみとする。
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE
Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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