プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2025年7月版が公開された。首位のPythonが過去最高のレーティングを更新した一方、“ベテラン言語”が10位圏内に入ってきている。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2025年7月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2025年7月のランキングでは、独走が続く「Python」のレーティングが26.98%と3カ月連続で同言語として過去最高を更新するとともに、TIOBEインデックスの過去最高も更新した(これまでの過去最高は、「Java」が2001年6月に記録した26.49%)。Pythonと2位の「C++」とのレーティング差も、TIOBEインデックス史上最大の17.18ポイントとなった(これまでの最大は、Pythonが2025年5月に記録した15.41ポイント差)。
2025年7月のランキングの2〜6位は、C++(9.80%)、「C」(9.65%)、Java(8.76%)、「C#」(4.87%)、「JavaScript」(3.36%)となった。2位のC++のレーティングは、2024年4、5月以来の低い水準にあり、3位との差も0.15ポイントに縮まっている。CとJavaの3、4位は、2025年4月に入れ替わって以来4カ月連続。2024年6月以来、Python(1位)、C++(2位)、C#(5位)、JavaScript(6位)は同じ順位だ。また、「Go」(2.04%)は2025年2月を除けば、2024年11月以降、過去最高の7位を維持している。
TIOBEインデックスの8〜12位の言語は毎月のように、あるいは数カ月ごとに順位が入れ替わっている。「Visual Basic」「SQL」「Fortran」「Ada」「Perl」「Delphi」といった古い言語の戦いが続いている。新しい言語、例えば「Rust」「Kotlin」「Dart」「Julia」などのトップ10入りが期待されてきたが、このところ10位台後半以降にくすぶっているようだ。
古い言語の中でも、今回9位のAdaと11位のPerlは、1年前の7月はそれぞれ24位、30位、2025年1月も26位、32位にとどまっていたが、2月以降、月を追うごとに順位を上げている。TIOBE Softwareのポール・ジャンセン氏(CEO)は「セキュリティへの要求がますます高まる中、安全性が重要な分野におけるシステムプログラミング言語として、Adaは生き残る可能性が最も高いだろう」と述べている。
21〜50位までのランキングは以下の通り。
51位から100位については、それぞれのレーティング差が比較的小さいため、アルファベット順に列挙するのみとする。
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.