移住希望者が最初に考えるのは、「仕事があるのか?」ではないでしょうか。仕事があっても「収入がどうか?」も気になると思います。
鳥取県の仕事探しは「ハローワーク」がメインです。人材紹介会社を使う人は、あまりいません。
一般的に、ハローワークの求人で必要とされるITスキルは、「Officeの操作」です。文字入力や印刷が問題なくできればOKです。
では、開発系のスキルを持っていたら、どうなのでしょうか。
「ハローワークインターネットサービス」で、地域を「鳥取」、フリーワードに「エンジニア」と入力して検索したところ、338件ヒットしました。しかし、そのほとんどは土木系でした。そこで、フリーワードを解除し、職種を「情報処理・通信技術者」に変更して検索したところ、結果は65件でした(2017年6月2日現在)。
ちなみに、地域「東京」×職種「情報処理・通信技術者」で検索したら、8135件もヒットしました。
給与面は、20〜30万円がボリュームゾーンのようです。中には「13万9800〜60万円」という大変幅の広い求人もありました。上限側であれば東京と遜色ないでしょうが、下限側だったら……。なお、鳥取県で60万円の月給をもらえる仕事って、私はお医者さんくらいしか知りません。
再び、経済産業省の「地域経済分析」を見てみましょう。
鳥取県の全産業の平均賃金は「361万円」で、東京都「548万円」の65%ほどです。しかし情報通信業に限ると、鳥取県の月収「58万3307円」(年収にすると699万9684円)は、東京都の「52万5465円」(年収にすると630万5580円)を、超えています。
IT教育の実態も紹介します。
倉吉市の「鳥取県立倉吉総合産業高等学校」では、情報科でプログラミング、ネットワーク、データベースなどのシステム系の学習が行われていました。しかし、平成28年度から募集を停止してしまいました。情報科を設置しても、鳥取県内には就職先がないからかもしれません。
ITスキルを学びたい若者が県外の学校に行き、県外企業に就職し、そのまま帰ってこない。その結果、鳥取県のITエンジニアは増えず、仕事も生まれない……という構造が定着しているようです。
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