82%が「DXに投資しなければ取り残される」と回答 なぜ不況でもIT投資に注力するのか:「AI競争に打ち勝つために備えることが求められている」
Insight Enterprisesは、企業のデジタル投資についての調査結果を発表した。今回の調査では、10人に8人以上(82%)が、企業はDXに投資しなければ取り残されると回答した。
Insight Enterprisesは2023年6月12日(米国時間)、企業のデジタル投資についての調査結果を発表した。これによると、世界中のビジネスリーダーは、不確実性が高まって競争が激化するビジネス環境であるものの、新たなイノベーションの要請に応えるためにDX(デジタルトランスフォーメーション)に投資する必要があることを理解しているという。
企業はDXに投資しなければ取り残されると82%が回答
今回の調査は2023年1月から3月にかけて実施された。シニアビジネスリーダーのデジタル投資に、世界経済の不確実性や地政学的緊張の継続など、ビジネス上の課題がどのように影響しているかについて知ることを目的としている。従業員数1000人以上の大企業に所属する世界中の1000人のビジネスリーダーや、職員250人以上の公的機関の上級意思決定者からの意見をまとめたという。
今回の調査では、10人に8人以上(82%)が、企業はDXに投資しなければ取り残されると回答した。
また、半数近く(49%)が、競合他社と比較して技術革新についていけるかどうかが、組織にとって今後12カ月間における最大の脅威の1つであると回答しており、インフレと景気後退の可能性を指摘したのは10人に2人(20%)にとどまった。
その他の主なリサーチ結果は以下の通りである。
- 52%が、リスク回避能力がサイバーセキュリティと並んで、今後1年間で組織が克服すべき最大の課題の1つであると回答
- 34%は、製品とサービスの流通と収益化を拡大するために、今後1年間にDXへの投資を計画中
- ほとんどの組織がデジタル・ビジネスの必要性を感じており、61%が2024年までにデジタル・ビジネスからインパクトのある投資収益を期待していると回答
- DXの大きなハードルは、データプライバシーおよびセキュリティの懸念(53%)や、必要不可欠なテクノロジースキルの不足(39%)、チェンジマネジメントのためのリソース不足(39%)だという。これらの課題は全て、企業が生成AIのようなより複雑なテクノロジーを導入する方法を決定するにつれて、さらに深刻になると推測している
- DXプロジェクトの失敗の約半数(49%)は、ITインフラ統合が原因
AIで競争に打ち勝つための対策が必須の時代へ
同社のグローバル最高技術責任者(CTO)であるマット・ジャクソン氏は「企業は長年にわたり、レガシーシステムの脆弱(ぜいじゃく)性に対処している。そして、より深いデジタル化を通じてビジネスを最適化することで生産性を向上させ、縮小する市場でシェアを獲得し、組織の回復力を強化しようとしてきた。生成AIによって、経営幹部はAI競争に打ち勝つため、ビジネスの準備を整える必要性がさらに高まっている」と述べた。
また、Insight Enterprisesのエイドリアン・グレゴリー氏は「真にデジタルビジネスを目指すのであれば、経営幹部はROI(投資利益率)に対する考え方を変える必要がある。そして、俊敏性を意識し、投資コストをCapEx(資本的支出)からOpEx(事業運営費)にシフトさせるべきだ。また、継続的なイノベーションを生み出す環境を整え、競争優位を獲得するためにテクノロジーを迅速に導入する必要がある。われわれがそうしなくても、他社はそうするだろう」と語っている。
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