「時間さえあれば」 進まないエンジニアの副業、切実なその理由とは:パーソルテクノロジースタッフが実態調査
パーソルテクノロジースタッフの調査によると、副業を手掛けている割合は、非エンジニアよりもエンジニアの方が低く、エンジニアが副業を始められない理由のトップは「時間がない」だった。
パーソルテクノロジースタッフは2019年5月28日、ITや機械電気領域で働くエンジニア922人と非エンジニア100人を対象に実施した、副業に関する調査の結果を発表した。それによると、副業を手掛けている割合はエンジニアの方が低く、エンジニアが副業を始められない理由のトップは「時間がない」だった。
まず、副業への取り組みについて聞いた。既に副業をしている割合は、エンジニアが6.6%、非エンジニアが11.0%で、エンジニアの方が低かった。副業の準備中だという割合は、それぞれ6.9%と6.0%で、大差なかった。
次に、副業をしようと思った(興味を持った)理由を聞いたところ、最も多い回答はエンジニアと非エンジニアのいずれも「本業の収入の他に収入を増やしたいから」で、回答率はそれぞれ56%と57%だった(複数回答、以下同)。
エンジニアと非エンジニアの間で差が出たのは、「本業と違う世界の楽しさややりがいを感じたいから」と「時間的に余裕があるから」の2項目だった。やりがいを副業の理由に挙げたエンジニアの割合は20%だったのに対して、非エンジニアは28%。時間的な余裕は、エンジニアの6%しか挙げなかったのに対して、非エンジニアは21%が挙げた。
専門性を発揮するエンジニア、新たなジャンルに挑む非エンジニア
実際に手掛けている、あるいは手掛けようとしている副業の内容については、エンジニアが自分の専門性を生かそうという傾向があるのに対して、非エンジニアでは本業と異なるジャンルが上位を占めた。
具体的には、エンジニアのトップ5は「金融商品に投資」「専門性を生かして人に何かを教える、コンサルティング」「Webコンテンツやアプリの制作・改善・開発」「ネットオークション、フリマアプリなどの物の売買」「プロジェクトマネジメント」。
非エンジニアのトップ3は、「ネットオークション、フリマアプリ等の物の売買」「金融商品に投資」「専門性を生かして人に何かを教える、コンサルティング」「ハンドメイド商品を制作して売る」「代行業(運転、配達など)」だった。
一方、副業を始めていない理由については、エンジニアで最も割合の高い回答が「副業をする時間が取れない」だったのに対して、非エンジニアでは「会社で副業が認められていない」だった。「知識や勉強が必要だから」と回答した割合を見ると、エンジニアの26%に対して非エンジニアは19%で、パーソルテクノロジースタッフでは「課題となる点をしっかり確認・準備してから始めたい、というエンジニアらしい仕事の進め方がくみ取れる」と分析している。
こうした結果を受けてパーソルテクノロジースタッフでは、「手に職があり副業を始めやすいイメージのあるエンジニアだが、実際には『副業に興味はあるが、自分が捻出できる時間の中でマッチする副業を見つけられない』『雇用ではなく個人で受けることが多い副業に際し、さまざまなリスクに備えてしっかり事前準備をしてから始めたい』といった懸念があり、エンジニアの副業は思ったほど進んでいない」と述べている。
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