レバテックは、レガシーシステム刷新に関する実態調査結果を発表した。約半数の企業が刷新を進めている一方、技術者不足や運用の属人化により多くの課題が表面化していることが分かった。
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レバテックは2025年8月6日、レガシーシステムの刷新に関する実態調査の結果を発表した。調査は、情報システム部門および経営層516人を対象に実施された。
調査結果によると、レガシーシステム刷新の進捗(しんちょく)について「一部進めている」と回答したのは全体の54.7%にとどまり、半数近くはまだ着手していないことが分かった。企業規模別に見ると、従業員1000人以上の大企業では65.5%が刷新に着手しているのに対し、中小企業では43.8%にとどまり、21.7ポイントの差が生じている。
刷新が進まない背景には、システムの維持、運用における複数の課題がある。
レガシーシステムに起因する問題としては「保守運用や維持コストの増加」(47.7%)、「システム機能や詳細のブラックボックス化」(45.0%)などが挙がった。レガシーシステムの維持、運用における課題については「技術者が不足していること」(53.5%)、「システムがブラックボックス化していること」(46.9%)、「運用管理が複雑化、属人化していること」(41.1%)などが上位に並ぶ。
このことから、レバテックは「技術的、人的、経済的な課題が複雑に絡み合っている様子がうかがえる」と分析している。
レガシーシステムに関する今後の対応方針として、システムを抜本的に改革する方針、つまり「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を選択した割合は、大企業で64.4%、中小企業で50.0%となった。大企業がビジネス変革に積極的な姿勢を見せる一方、中小企業では既存業務への影響を抑えるリプレースを重視する傾向がある。
レバテックの泉澤匡寛氏(執行役社長)は「多重下請け構造やベンダーへの丸投げによって、企業内部に開発ノウハウが蓄積されていない状況が、属人化やブラックボックス化を招いている」と指摘している。
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