タナベコンサルティングは、DXや人材育成、基幹システムの投資について尋ねた「2025年度 経営者の成長投資アンケート」の結果を発表した。DXや人材育成への思いは持ちながらも、うまく進捗していない実態が浮き彫りとなった。
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タナベコンサルティングは2025年7月10日、「2025年度 経営者の成長投資アンケート」の結果を発表した。全国の企業経営者、役員、経営幹部などに、人材育成やデジタルトランスフォーメーション(DX)、基幹システムへの投資の動向を尋ねたものだ。
調査結果からは、企業の大半が限られた予算の中で人材育成に取り組んでいることが分かった。企業における人材育成の年間投資額について聞くと、回答者の64.4%が「年間1000万円未満」と答えた。
育成施策についても、実務の中で指導する「OJT」(On the Job Training)やセミナー、集合研修といった「OFF-JT」(Off the Job Training)など低コストな手法が中心となっており、タナベコンサルティングは「継続的かつ効果的な人材育成への資源投入には課題が残る」と分析している。
調査ではDXの進捗(しんちょく)状況についても尋ねている。それによると回答が多い順に「予定より遅れている」(48.8%)、「計画通りに進行している」(32.1%)、「取り組んでいない」(19.1%)と続いた。
タナベコンサルティングはこの結果について「DX推進が場当たり的になっているのではないか」と推察している。それを裏付けるように、「DXに関するビジョンや戦略を策定しているかどうか」という質問については、回答者の61.2%が「策定していない」と回答した。
タナベコンサルティングの細江一樹氏(エグゼクティブパートナー、戦略総合研究所 本部長)は、「『人材を育てたい』『デジタル化を進めたい』という思いはあるものの、その先のビジョンが曖昧なまま施策に着手しているケースが見られる」と述べる。投資を成功させるには、中長期的にどんな組織を目指すのかを言語化し、価値観や目的を明確にすることが重要だと指摘し、「『なぜ今、何に投資するのか』を明確にすることが第一歩だ」と総括している。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。