ガートナージャパンは、「ガーディアンエージェント」に関する見解を発表した。マルチエージェントの統合にとってガーディアンエージェントが鍵になるとしている。
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ガートナージャパンは2025年6月12日、「ガーディアンエージェント」に関する見解を発表した。2030年までにガーディアンエージェントがエージェント型AI(人工知能)市場の少なくとも10〜15%を占めるようになるという。
ガートナージャパンは、ガーディアンエージェントを「AIとの安全で信頼できるやりとりを支援するために設計された技術」と定義している。ユーザーを支援するAIアシスタントとして機能するだけでなく、半自律型(または完全自律型)エージェントとして、自ら計画を立てて行動し、決められたルールに沿って自動で修正、中止といった判断ができるという。
「AIエージェントの整合性と安全性を維持するためには信頼やリスク、セキュリティを自動制御する仕組みが必要とされており、これがガーディアンエージェントの需要拡大と普及を加速させている」(ガートナージャパン)
Gartnerが2025年5月19日に開催したウェビナーでの調査によると、対象のCIO(最高情報責任者)やITリーダー(147人)のうち、半数がガーディアンエージェントに関する調査や実験を既に推進していた。また、2025年6月現在は未着手だが2026年末までの導入を予定していると回答した割合は17%だった。
Gartnerのアビバ・リタン氏(ディスティングイッシュトバイスプレジデント アナリスト)は、「AIエージェントの進化が加速し、自律性も増していることから、従来の人間による監督を超えた新たな対応が求められている。人的ミスや悪意のある行為のリスクが高まり、もはや人間では対処できなくなっている。こうした状況は、AIアプリケーションやエージェントに対する監督、制御、セキュリティを自動化して提供するガーディアンエージェントが緊急で必要になっていることを示している」と説明する。
Gartnerは「2028年までに、AIアプリケーションの70%がマルチエージェントシステムを採用する」と予測しており、今後、ガーディアンエージェントはこうしたマルチエージェントの統合にとって重要な柱になるとしている。
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