「出社回帰の波」はITフリーランスにどんな影響を与えているか ギークスが「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表:2023年と比べて案件数も“案件を探すフリーランス”も増加
ギークスは、2024年1〜3月の案件倍率をまとめた「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表した。2024年3月の案件倍率は対2023年度同月比で8.09倍、案件数は10ポイント増だった。
ギークスは2024年5月9日、同年1〜3月の案件倍率をまとめた「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表した。同四半期の案件倍率は累計で8.60倍だった。
出社回帰の流れの中、フルリモートワークを受け入れる企業が人気
2024年1〜3月は案件数と、案件を探すフリーランスのどちらも、2023年度より増加していた。
案件倍率は2024年1月が対2023年度同月比で9.44倍、2024年2月が同8.43倍、2024年3月が同8.09倍。案件数は、2024年1月が対2023年度同月比で39ポイント増、2024年2月が同42ポイント増、2024年3月が同10ポイント増となっている。また、案件を探すフリーランスの数は、2024年1月が対2023年度同月比96ポイント増、2024年2月が同57ポイント増、2024年3月が同44ポイント増だった。
ギークスによると、社内システムの構築やデータ分析などDX(デジタルトランスフォーメーション)化を促進する企業による案件の他、旅行やレジャー関連の案件が多かったという。スキルの面では「TypeScript」などのオブジェクト指向言語に加え、情報セキュリティに対するリテラシーやセルフマネジメント能力などが求められている。また、要求分析や設計、品質管理などの上流工程も担えるハイスキルフリーランス人材を検討する傾向が見られるとギークスは分析している。
2024年4〜6月の案件数についてギークスは、4月は横ばい推移、5月以降は増加するとみている。これは着実なIT人材確保のため採用活動を意図的に早くスタートさせる企業が多いためだ。案件を探すフリーランスについては、4月は横ばい、5月以降は徐々に増加する見込み。企業には出社回帰の波が押し寄せてきており、「フルリモートワークやハイブリッドワークを受け入れる企業は、ITフリーランスからの人気が集まりやすい傾向にある」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
異業種からのキャリアチェンジ成功者が語る「AIエンジニアになるための条件」とは
生成AIをはじめ、AIの業務利用が進んでいる。開発環境も簡単に用意できるようになり、AI開発のハードルは下がっているが、いざ取り組もうとすると具体的にどのように進めればいいのか、どこから手を付ければいいか迷う人もいるだろう。現役のAIエンジニアにそういった気になるポイントを聞いた。「TypeScript」「Go言語」などを扱うフリーランスエンジニアの需要が高まる パーソルキャリア
パーソルキャリアは「ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング」を発表した。職種別、業種別、言語別のいずれも、前回の調査から平均月額単価が上がっていた。業務利用は「言語生成」が圧倒的 ランサーズがフリーランスの生成AI活用実態を調査
ランサーズは「生成AI活用の実態調査」の結果を発表した。生成AIを業務で使用している人は約4割。最も使用している生成AIの種類は「言語生成」で、ライティングやプログラミングなどで利用している人が多かった。