Windows 11の起動時やシャットダウン時など、「ようこそ」や「シャットダウンしています」といった一般的なメッセージしか表示されず、起動やシャットダウンで何に時間がかかっているのか分からない、ということはないだろうか。そこで本Tech TIPSでは、起動時やシャットダウン時にWindows 11が実行しているタスクを表示して、何の処理に時間がかかっているのか確認する方法を紹介する。
対象:Windows 11
起動の「裏側」が分かる、フリーズ原因も特定する隠し設定Windows 11の起動時やシャットダウン時など、「ようこそ」や「シャットダウンしています」といった一般的なメッセージしか表示されず、起動やシャットダウンで何に時間がかかっているのか分からない、ということはないだろうか。
普段は、システムが裏側で実行しているタスク(デバイスドライバのロード、サービスの終了など)を知る必要はないが、トラブルが発生した場合は別だ。裏側で実行されているタスクを見ることで、何の処理に時間がかかっているのか確認できるため、トラブルの原因を探る手助けとなるからだ(起動時やシャットダウン時に実行しているタスクを表示するモードを「Verbose Statusモード」と言う)。
そこで本Tech TIPSでは、起動時やシャットダウン時にWindows 11が実行しているタスクを表示する方法を紹介しよう。なお、Windows 11のProやEnterpriseなどのエディションではグループポリシーを使って設定可能だが、グループポリシーに対応していないHomeではレジストリの編集が必要になる点に注意してほしい。
Windows 11 Homeでも設定可能なレジストリを編集する方法で、「Verbose Statusモード」を有効にする方法を紹介しよう。
[注意]
レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリエディターは慎重に操作するとともに、あくまでご自分のリスクで設定してください。何らかの障害が発生した場合でも、本編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。
タスクバーの検索入力ボックスに「reg」と入力すると、検索結果に「レジストリエディター」が表示されるので、これをクリックして起動する。ユーザーアカウント制御(UAC)の画面が表示されたら[はい]ボタンをクリックする。
レジストリエディターが起動したら、下表のレジストリキーを「REG_DWORD(DWORD 32ビット)型」で作成し、「値のデータ」として「1」を設定する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キー | HKEY_LOCAL_MACHINEの\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System |
| 値の名前 | VerboseStatus |
| 型 | REG_DWORD(DWORD 32ビット)型 |
| 値の内容 | 1 |
| 「Verbose Statusモード」を有効にするレジストリキー | |
サインアウト/サインインまたは再起動を実行すると、このレジストリが有効になり、起動時やシャットダウン時などにWindows 11が何をやっているのか表示されるようになる。
レジストリを編集して「Verbose Statusモード」を有効にする(1)
レジストリを編集して「Verbose Statusモード」を有効にする(2)
レジストリを編集して「Verbose Statusモード」を有効にする(3)非表示に戻したい場合は、上記の「VerboseStatus」の「値のデータ」を「0」にするか、「VerboseStatus」自体を右クリックメニューの[削除]を選択して削除してしまえばよい。
レジストリエディターを使って設定するのが面倒な場合は、管理者権限でWindowsターミナルまたはコマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行してもよい。
reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System" /v VerboseStatus /t REG_DWORD /d 1 /f
サインアウト/サインインまたは再起動を実行すると、このレジストリが有効になり、起動時やシャットダウン時などにWindows 11が何をやっているのか表示されるようになる。
非表示にしたい場合は、以下のコマンドを実行してレジストリの値「VerboseStatus」を削除すればよい。
reg delete "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System" /v VerboseStatus /f
Home以外のエディションの場合、グループポリシーを使うのが安全で簡単だ。
タスクバーの検索入力ボックスに「グループ」や「gpedit」と入力すると、検索結果に「グループポリシーの編集」が表示されるので、これをクリックしてグループポリシーエディターを起動する。
左ペインで[コンピューターの構成]−[管理用テンプレート]−[システム]を選択し、右ペインで[詳細な状態メッセージを表示する]を探し、ダブルクリックで開く。
[詳細な状態メッセージを表示する]ダイアログが開いたら、「有効」を選択し、[OK]ボタンをクリックする。
グループポリシーを使って「Verbose Statusモード」を有効にする(1)
グループポリシーを使って「Verbose Statusモード」を有効にする(2)これで「Verbose Statusモード」を有効になり、起動時などにWindows 11が何をやっているのか表示されるようになる。
元の状態に戻すには、[詳細な状態メッセージを表示する]ダイアログで「未構成」を選択して、[OK]ボタンをクリックすればよい。
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