「VS Code」と「Copilot」でローカルAIモデルを活用 Microsoftがガイドを解説プライバシー確保とコスト削減を両立

Microsoftは「Visual Studio Code」向けに、「GitHub Copilot」をローカルAIモデルで稼働させる拡張機能「Foundry Local」の使い方を公開した。データプライバシーを保ちながら、料金を抑えたAIアシスタントを利用できる。

» 2025年09月25日 08時00分 公開
[@IT]

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 Microsoftは2025年9月18日(米国時間)、開発者向けブログで「Foundry Local」の使い方を公開した。Foundry Localは同社が同年5月に発表した機能で、この機能によって「Visual Studio Code」(以下、VS Code)でローカルAI(人工知能)モデルを用いたAIコーディングアシスタント「GitHub Copilot」が使えるようになる。

画像 Microsoft開発者ブログ

ローカルAIモデルで安全かつ安価にAIアシスタントを利用可能に

 従来、AIアシスタントを使うには、AIモデルを動作させるための計算処理をクラウドサーバで実行しなければならなかった。この構造では開発者が作成したコードやプロンプトを外部に送信する必要があるため、データのプライバシーや利用料金が課題となっていた。Foundry LocalはAIモデルをPC上で実行できる仕組みを提供し、データを外部に送らずにAIアシスタントを利用できるようにする点が特徴だ。これによって、開発者は機密性が求められる業界やプロジェクトでもAIアシスタントを使えるようになる。

 Foundry Localを使うには、まずVS CodeにGitHub Copilotと拡張機能「AI Toolkit for Visual Studio Code」(以下、AI Toolkit)を導入する。AIモデルの提供元として「Foundry Local via AI Toolkit」を指定すると、PC内のローカルモデルを選択できるようになる。必要に応じてAIモデルは自動でダウンロードされ、以降はオフラインで利用可能だ。

 利用可能なAIモデルには、多言語処理やコード生成を得意とする「Qwen」、効率的な推論を重視する「Phi」、OpenAIの「GPT」などがある。

 MicrosoftはFoundry Localの主な利点として以下を挙げている。

  • プライバシー保護
    • 全てのデータ処理をPC内で完結させる
  • 費用削減
    • クラウド利用料やデータ転送費用を削減できる
  • 多様なAIモデル
    • 開発者は用途に応じてAIモデルを切り替えたり、自前のAIモデルを追加したりできる
  • 一元的なAIモデルの管理
    • AI ToolkitのインタフェースでAIモデルの追加、更新、切り替えができる
  • 他ツールとのシームレスな連携
    • GitHub Copilotの拡張機能やVS Codeとスムーズに連携し、開発効率を高める

このニュースのポイント

Q: Microsoftが公開した「Foundry Local」とは?

A: VS Code上でローカルAIモデルを利用し、GitHub Copilotを動作させる機能。従来はAI処理をクラウドで実行する必要があり、コードやプロンプトを外部に送信するためプライバシーリスクやクラウド利用料の負担があったが、ローカルAIモデルを使うことでデータを外部に送らずに安全かつ安価にAIアシスタントを利用できるようになる。

Q: Foundry Localを利用する手順は?

A: VS CodeにGitHub Copilotと拡張機能「AI Toolkit」を導入し、AIモデルの提供元として「Foundry Local via AI Toolkit」を指定。必要なモデルは自動ダウンロードされ、以降はオフラインで利用できる。

Q: 主なメリットは?

  • プライバシー保護(処理をPC内で完結)
  • 費用削減(クラウド利用料/転送費削減)
  • 多様なAIモデルの選択・追加
  • AI Toolkitでの一元管理(追加/更新/切り替え)
  • CopilotやVS Codeとのシームレス連携

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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