Anthropicのエージェント型コーディングツール「Claude Code」で「カスタムサブエージェント」が作成、利用できるようになった。ユーザーは専門性やツールをカスタマイズしたサブエージェントを複数作成し、効率的で高度なワークフローを構築できる。
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Anthropicは2025年7月24日(米国時間)、エージェント型コーディングツール「Claude Code」で「カスタムサブエージェント」を作成、利用できるようになったと発表した。
カスタムサブエージェントは、特定のタイプのタスクを処理するために呼び出せる特殊なAIアシスタント。カスタマイズしたシステムプロンプト、ツール、独立したコンテキストウィンドウでタスク固有の設定を施したカスタムサブエージェントを使うことで、より効率的な問題解決が可能になると、Anthropicは述べている。
カスタムサブエージェントは以下のような特徴を持つ。
Claude Codeのメインエージェントは、ユーザーからのタスク依頼や会話の内容を解析し、そのタスクの内容や必要な専門性を評価する。評価したタスクが特定のサブエージェントの専門分野に合致すると判断した場合、Claude Codeのメインエージェントはそのタスクをサブエージェントに委任する。委任されたサブエージェントはメインエージェントから独立して専用のコンテキストウィンドウやプロンプトに従って作業し、結果を返す。
Anthropicは、カスタムサブエージェントの主な利点として以下を挙げている。
各サブエージェントは、独自のコンテキストで動作する。これによって、メインの会話に余計な情報を混入させず、高レベルの目標に集中させることができる。
サブエージェントは、特定のドメイン向けに詳細な指示でファインチューニングできる。
一度作成したサブエージェントは、異なるプロジェクト間で使用でき、一貫したワークフローのためにチームと共有できる。
各サブエージェントには異なるツールアクセスレベルを設定できる。例えば、強力な権限を持つツールには、特定のサブエージェントタイプだけがアクセスできるといったような設定が可能だ。
「/agents」コマンドを実行すると、サブエージェントインタフェースが開く。その後、「Create New Agent」を選択すると、ガイドに従って新しいカスタムサブエージェントを作成できる。Anthropicは、まずClaude Codeにサブエージェントを生成させ、それをカスタマイズすることを推奨している。
作成されたカスタムサブエージェントについて、使用するタイミング、アクセスを許可するツール、システムプロンプトなどを定義し、保存すると利用可能になる。カスタムサブエージェントは、YAMLフロントマター(エージェント名や説明、利用するツールなどの設定情報がYAML形式で記述された、先頭部分)を持つMarkdownファイルとして保存される。
Claude Codeは、リクエスト内のタスクの説明、サブエージェントの設定内の「description」フィールドの記述、現在のコンテキストと使用可能なツールに基づいて、タスクをカスタムサブエージェントに自動的に委任する。また、ユーザーがコマンドで特定のカスタムサブエージェントを指定して、明示的に呼び出すこともできる。
Anthropicは、サブエージェントの作成、使用のベストプラクティスとして以下の5つを挙げている。
複雑なワークフローの場合は、複数のサブエージェントを順序立てて使用することも可能だ。以下の例では、サブエージェント「code-analyzer」でパフォーマンス上の問題を見つけ、サブエージェント「optimizer」でそれを修正するよう指示している。
Anthropicのサブエージェントについてのドキュメントでは、カスタムサブエージェントの例として、コードレビュワー、デバッガ、データサイエンティストを、そのMarkdownファイルの記述とともに示している。
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