「ガバナンスとセキュリティがAIエージェント活用の鍵」 IBMが新機能を発表AIエージェントのリスク管理に次の一手

IBMは2025年6月18日、AIエージェントのガバナンスとセキュリティを統合管理できるソフトウェアを発表した。企業がAIのリスクを可視化し、より安全かつ責任あるAI運用を実現できるようにするための機能を提供する。

» 2025年06月30日 06時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 IBMは2025年6月18日(米国時間)、AI(人工知能)のガバナンスとセキュリティを統合管理できるソフトウェアを発表した。ソフトウェアの利用を通じて、企業はAIエージェントや生成AIシステムのリスクを一元的に把握し、安全かつ責任あるAI活用を大規模に推進できるようになる。

画像 リリース

ガバナンスとセキュリティを強化する新たな機能群とは?

 今回IBMが発表したソフトウェアは、同社のAIガバナンスツール「watsonx.governance」とAIセキュリティ製品「Guardium AI Security」を統合するためのものだ。このソフトウェアには、企業が使用するAIエージェントが、EU(欧州連合)の「AI法」(Artificial Intelligence Act)や「ISO/IEC 42001:2023」など、AI技術の管理に関する12の主要規格や法律に準拠しているかどうかを検証する機能が搭載されている。

 Guardium AI Securityには、クラウドサービスやコードリポジトリ、組み込みシステムでの新規のAI活用を自動検知したり、脅威を特定した場合、即座に対処したりする機能が備わった。

 さらに、AIエージェントの脆弱(ぜいじゃく)性や誤設定を検出、修正する「自動レッドチーミング」機能や、プロンプトをはじめとしたAIへの指示やAIからの出力を監視、制御する機能も追加された。コードインジェクション(プログラムに悪意があるコードを挿入、実行し、データの窃取やシステムの改ざんを目指す攻撃手法)やデータ漏えいリスクを防ぐ目的だ。

 watsonx.governanceには、AIエージェントの開発から運用までを一貫して管理する新機能が加わった。エンドユーザーは、AIエージェントの回答の妥当性やコンテキストの関連性を評価したり、AIエージェントの性能低下の原因を特定したりできる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。