DXの本格推進はまだ先? 約7割の企業が「無関心」「全社戦略がない」レベルにIPA調査で判明した「2025年の崖」の実情

IPAは「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2024年版)」を公開した。2024年版では、多くの企業のDX推進は「一部での散発的実施」にとどまっていることが分かった。

» 2025年05月16日 08時00分 公開
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 情報処理推進機構(IPA)は2025年5月7日、「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2024年版)」を公開した。同レポートは、企業が提出した「DX推進指標」の自己診断結果を分析したもので、2019年から毎年公開されている。2024年版では、多くの企業のDX推進は「一部での散発的実施」にとどまっていることが分かった。

企業の7割が「レベル2未満」

 DX推進指標は企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進状況を自己診断するツールで、日本企業のDX推進における課題発見と解決策の明確化を目的としている。35項目で構成されており、各企業は自社のDX推進状況を0(未着手)から5(グローバル競争を勝ち抜けるレベル)までの6段階で評価する。

画像 成熟度レベルの基本的な考え方(提供:IPA

 2024年の分析結果によると、DX推進の成熟度は「レベル0〜レベル2未満」に偏っていることが分かった。「全社戦略に基づく実施」段階とされるレベル3以上の企業は少なく、レベル4以上に至っては全体の1%にとどまっている。

画像 2024年の全体的な傾向(提供:IPA

 成熟度の現在値は平均1.67で、目標値の3.34との差は1.67ポイント。この差は経営視点指標やIT視点指標でもほぼ同様だった。IPAは目標達成に向けて「DXのための経営の仕組み」と「基盤としてのITシステム構築」の両輪での取り組みが重要だとしている。

DX認定企業と未取得企業で大きな差

 注目すべきは、DX認定取得の有無による成熟度の違いだ。DX認定企業の現在値は平均2.30(経営視点指標2.31、IT視点指標2.28)なのに対し、未取得企業では平均1.34(経営視点指標1.31、IT視点指標1.37)と、全ての項目で低い結果となった。

 DX認定企業は、DX認定申請書提出の過程でデジタルガバナンスコードの基本的事項への対応を宣言する必要がある。そのため、IPAによると、「着実にDXを進めるためにも、まだDX認定を取得していない企業は取得してほしい」としている。

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