ゼットスケーラーは「2025年版 Zscaler ThreatLabz AIセキュリティ レポート」を公開した。それによると、企業によるAI/MLツールの使用が対2023年比で3000%以上増加していることが明らかになった。
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ゼットスケーラーは2025年4月24日、「2025年版 Zscaler ThreatLabz AIセキュリティ レポート」を公開した。2024年2〜12月に同社のセキュリティプラットフォーム「Zscaler Zero Trust Exchange」で処理された5360億件以上のAI(人工知能)トランザクションの分析結果まとめたもの。それによると、企業によるAI/ML(機械学習)ツールの使用が対2023年比で3000%以上増加していることが明らかになった。
高い生産性や効率性、イノベーション創出などを目指し、さまざまな業界でAIは急速に採用されている。同レポートによると、企業が業務でAIツールに送信したデータ量は3624TBに上る。こうしたAIの急速な導入に伴い、ゼットスケーラーは「セキュリティ上の懸念が高まっている」と指摘する。
企業がブロックしたトランザクションの内、59.9%がAI/MLに関するものだった。「ChatGPT」は、全世界のAI/MLトランザクションの45.2%を占め、最も広く使用されていた。最もブロックされたツールもChatGPTで、機密データの漏えいや無許可での使用に対する企業の懸念は高まっているとゼットスケーラーは分析している。
脅威アクターもエージェント型AIや「DeepSeek」をはじめとするオープンソースAIを利用して攻撃規模を拡大させている。ゼットスケーラーのCISO(最高情報セキュリティ責任者)を務める深谷玄右氏は、「従来、不正アクセスはITの専門知識を持った人が実施していたが、AIによってITに詳しくない人でもマルウェア作成や不正アクセスが可能になった。技術を持った攻撃者は既に、AIを利用している。日本もこうした新たな脅威と無縁ではいられない」と述べている。
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