AWSは、Amazon EC2の新しいコンピューティング最適化インスタンス「C8gd」、汎用インスタンス「M8gd」、メモリ最適化インスタンス「R8gd」の一般提供を開始した。
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Amazon Web Services(AWS)は2025年4月21日(米国時間)、「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)インスタンスファミリーの新しいコンピューティング最適化インスタンス「C8gd」、汎用(はんよう)インスタンス「M8gd」、メモリ最適化インスタンス「R8gd」の一般提供を開始した。
これらのインスタンスは、AWSが自社開発したArmベースプロセッサ「AWS Graviton4」を搭載し、NVMeベースのローカルSSDがホストサーバに物理的に接続されている。AWS Graviton3プロセッサベースの同クラスのインスタンスと比べて、コンピューティングパフォーマンスが最大30%、I/O集約型データベースワークロードのパフォーマンスが最大40%向上し、I/O集約型リアルタイムデータ分析でクエリ結果を最大20%高速に返す。
また、これらのインスタンスの仕様をGraviton3ベースのインスタンスと比べると、vCPU(仮想CPU)が最大3倍(最大192vCPU)、メモリが3倍(最大1.5TiB)、ローカルストレージが3倍(最大11.4TBのNVMe SSDストレージ)、メモリ帯域幅が75%広く、L2キャッシュが2倍となっている。これらにより、より大量のデータ処理、ワークロードのスケールアップ、クエリ結果取得時間の短縮、総所有コスト(TCO)の削減が可能だ。また、これらのインスタンスは最大50Gbpsのネットワーク帯域幅と最大40Gbpsの「Amazon Elastic Block Store」(Amazon EBS)帯域幅を提供し、AWS Graviton3プロセッサベースのインスタンスから大幅に改善されている。
AWSは、C8gd、M8gd、R8gdインスタンスに適したワークロードやアプリケーションとして、「Amazon Elastic Kubernetes Service」(Amazon EKS)、「Amazon Elastic Container Service」(Amazon ECS)、「Amazon Elastic Container Registry」(Amazon ECR)、Kubernetes、Dockerを使用して構築されたコンテナ化アプリケーションやマイクロサービスベースのアプリケーションなど、ストレージ集約型のLinuxベースワークロードに加え、「C」「C++」「Rust」「Go」「Java」「Python」「.NET Core」「Node.js」「Ruby」「PHP」など、一般的なプログラミング言語で作成されたアプリケーションを挙げている。
AWSによると、AWS Graviton4プロセッサはAWS Graviton3プロセッサに比べて、Webアプリケーションで最大30%、データベースで最大40%、大規模なJavaアプリケーションで最大45%高速だ。
C8gd、M8gd、R8gdインスタンスはそれぞれ以下のように、10種類のサイズと2種類のベアメタルサイズ(metal-24xl、metal-48xl)で利用できる。
さらに、これらのインスタンスは、CPU仮想化、ストレージ、ネットワーク機能を専用ハードウェアとソフトウェアにオフロードし、ワークロードのパフォーマンスとセキュリティを向上させる「AWS Nitro System」上に構築されている。また、AWS Graviton4プロセッサは、高速物理ハードウェアインタフェースを完全に暗号化することで、セキュリティを強化している。
M8gd、C8gd、R8gdインスタンスは、米国東部(バージニア北部、オハイオ)、米国西部(オレゴン)リージョンで提供開始された。オンデマンドインスタンス、Savings Plans、スポットインスタンス、あるいはDedicated Instances(専有インスタンス)、Dedicated Hosts(専有ホスト)の料金で利用できる。
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