Gartnerによると、2022年の世界IT支出は2021年比で5.1%増加し、約4.5兆ドルに達する見通しだ。コンサルティングなどのITサービスやエンタープライズソフトウェアが特に成長するという。
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Gartnerは2022年1月18日(米国時間)、2022年の世界IT支出が2021年比で5.1%増加し、約4.5兆ドルになるとの見通しを明らかにした。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のオミクロン株による感染拡大が悪影響を与える可能性がある。しかし、経済の回復に加えてデジタル市場の発展への高い期待が、IT支出を引き続き押し上げるだろうと、Gartnerは見ている。
「2022年はCIO(最高情報責任者)にとって、未来が戻ってくる年だ」と、Gartnerのディスティングイッシュト リサーチ バイスプレジデントを務めるジョンデビッド・ラブロック氏は述べる。「CIOは、過去2年間の重要な短期プロジェクトを超えて、長期的な視点に立てるようになっている。また、スタッフのスキルギャップや賃金上昇、人材獲得競争の影響を受けて、CIOがデジタル戦略を進める上で、コンサルティング会社やマネージドサービス会社への依存が高まるだろう」
Gartnerは、コンサルティングやマネージドサービスを含むITサービスへの支出が、2022年に2021年比7.9%増の約1.3兆ドルに達すると予想している。
この予想伸び率は、エンタープライズソフトウェア(11.0%増)に次いで2番目に高い。ITサービスの中でも、ビジネスおよび技術コンサルティングの支出は10%増える見通しだ。
2025年にかけて、企業が外部コンサルタントへの依存を深めると、Gartnerは予想している。加速度的な変化をますます迫られ、企業のデジタルビジネスに対する意欲と社内のリソースや能力のギャップが拡大するからだ。
「この傾向は特にクラウドで顕著になる。デジタルビジネス目標を達成し、ハイブリッドワークをサポートするための重要な要素がクラウドだからだ。大多数の大企業が今後数年間、外部コンサルタントを利用してクラウド戦略を展開するとGartnerは予想している」(ラブロック氏)
エンタープライズソフトウェア市場では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などの影響により、2020年にクラウド市場がオンプレミス市場よりも初めて大きくなった。
2022年のエンタープライズソフトウェア支出は11%増えると予想されている。この伸びはほぼ全て、クラウドの貢献分となる見通しだ。企業が柔軟性とアジリティの維持という観点から、ソフトウェアスタックのSaaS(Software as a Service)への移行を推進するからだ。
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