内視鏡の映像をリアルタイムで共有し、遠隔地から医師をサポート ドコモらが遠隔医療向けの実証実験を実施高価な専用線を引けない医療機関でも利用可能

神戸大学と香川大学、高知赤十字病院、オリンパス、NTTドコモは、リアルタイムで複数の人による医用映像確認とアノテーションを実現する遠隔医療の実証実験を2022年2月23日に実施する。

» 2022年01月18日 08時00分 公開
[@IT]

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 神戸大学と香川大学、日本赤十字社高知赤十字病院、オリンパス、NTTドコモの5者は2022年1月17日、リアルタイムで複数の人による医用映像確認とアノテーションを実現する遠隔医療の実証実験を同年2月23日に実施すると発表した。

画像 「LiveU」の概要(提供:NTTドコモ

 この実証実験は2021年3月に同5者が実施した実証実験の続きになっており、消化器内視鏡映像を4K映像でリアルタイムに伝送する。前回実施した内視鏡映像に加えて、今回は手技を行う医師の手元の様子を合成した映像を複数の人が同時に閲覧できるようにする。

遠隔地の医師の手技にアドバイスできる

 オリンパスの消化器内視鏡システム「EVIS X1」を用いて撮影した内視鏡画像を、高精細映像伝送システム「LiveU」とNTTドコモの閉域クラウドサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」を介して、各病院にリアルタイムで伝送する。

 消化器内視鏡検査を実施するのは神戸大学医学部付属病院。映像を確認し、手技のアドバイスをするのは神戸大学医学部付属病院ICCRCと香川大学医学部付属病院、高知赤十字病院だ。

 映像を確認した病院の医師は、伝送された内視鏡映像に対して線や図形の描画(アノテーション)を加える。手技を実施している医師はアノテーション映像を確認しながら手技を遂行する。アノテーション結果も3医療機関の間でリアルタイムに共有する。

画像 実証実験のイメージ(提供:NTTドコモ

 5者によると「従来、セキュアな通信環境を構築するには、専用線を活用するのが一般的だったが、受信機の設置に費用や時間がかかるといった課題があった。クラウドを活用することで、これまで高価な専用線を準備することが難しかった医療機関でもモバイル回線でセキュアな通信が可能になる」という。

 NTTドコモは「今後の医療現場における高精細リアルタイム映像伝送の利活用の可能性を探り、将来的には5G(第5世代移動通信システム)を活用した、さらなる低遅延でかつ高精細な医用映像伝送の実現につなげる」としている。

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