MicrosoftはWindows Insider Programのβチャネルを通じて、Windows 11でAndroidアプリケーションを実行可能にした。Amazon.comやIntelと共同で実現した機能だ。
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Microsoftは2021年10月20日(米国時間)、「Windows 11」で「Android」アプリケーションを実行できる機能の提供を開始した。最初のプレビュー版である。
この機能は、MicrosoftがAmazon.comやIntelと共同で実現したもので、Windows Insider Programのβチャネルで米国のユーザー向けに提供されている。IntelやAMD、Qualcommプラットフォームで、Windows 11の要件を満たすデバイスで利用できる。
Androidアプリケーションを入手するには、Microsoft Storeから「Amazon Appstore」にアクセスする。Microsoft Storeの検索機能でアプリケーションを探すことができる。目的のAndroidアプリケーションを選択後、Amazon Appstoreのガイダンスに従ってダウンロード、インストールできる。
AndroidアプリケーションはWindowsアプリケーションと同じ操作感で利用できる。Windows 11の新しいスナップレイアウト機能を使って、並べて実行したり、スタートメニューやタスクバーにピン留めしたり、マウス、タッチ、ペンで操作したりできる。[Alt]+[Tab]キーやタスクビューで切り替えることも可能だ。
さらに、Androidアプリケーションからの通知をアクションセンターで見たり、WindowsアプリケーションとAndroidアプリケーションでクリップボードを共有したりできる。Windowsアクセシビリティー設定の多くもAndroidアプリケーションに適用される。
Microsoftは、Amazon.comや人気のあるアプリケーションの開発者と協力し、幅広いハードウェアでのテストと検証を目的に、Windows Insider Program向けに選んだ50のアプリケーションの提供を開始した。モバイルゲームや読書アプリケーション、子ども向けコンテンツなどが含まれる。Windows Insider Programでのアップデートを通じて、今後も新しいアプリケーションをリリースしていくという。
Microsoftは、Windows 11でAndroidアプリケーションを実行できるようにするために、新しいWindowsコンポーネント「Windows Subsystem for Android」を導入した。
Amazon Appstoreとそのカタログはこのサブシステムに支えられている。このサブシステムにはLinuxカーネルに加え、「Android Open Source Project(AOSP) バージョン11」ベースのAndroid OSが含まれている。
Windows Subsystem for Androidは、Amazon Appstoreのインストール時に自動的にインストールされる。なお、Amazon Appstoreは、次のいずれかのユーザー操作でインストールされる。
・Microsoft StoreからAmazon Appstoreをインストールする
・Microsoft StoreからAndroidまたはAmazonアプリケーションを初めてインストールする。これにより、Amazon Appstoreもインストールされる
Windows Subsystem for Androidは、このようにMicrosoft Storeから配布されるので、サポートするAPIや機能、シナリオの追加などに伴い、自動的に更新される。
Windows Subsystem for Androidは、「Windows Subsystem for Linux」と同様に、「Hyper-V」仮想マシン上で動作する。AOSP環境におけるアプリケーションのランタイムとAPIを、Windowsのグラフィックスレイヤーやメモリバッファー、入力モード、物理デバイス、仮想デバイス、センサーにマッピングできる。
Windows Subsystem for Androidは、Windowsがサポートしている全てのプロセッサタイプ(AMD、Intel、Qualcomm)で利用できる。MicrosoftはIntelとの提携により、「Intel Bridge」技術を利用して、Armにのみ対応しているアプリケーションがAMDやIntelデバイスでも動作するようにしている。
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