海外出身者でも大丈夫。だって、AIがあるじゃないですか:Go AbekawaのGo Global! シンさん from 香港(後編)(2/2 ページ)
専門学校卒業後1年間、日本や中国に旅行に行ったり、香港に帰省したりして、思い切り遊びました。「青春は1回しかない」ですからね。
AIがあるじゃないですか
入社に当たり、シンさんは「スマホのゲームを作りたい」という明確な希望を持っていた。
希望はかなえられ、現在は主にスマホのパズルゲーム開発に携わっている。具体的な業務としては、ゲームへの機能追加やアップデートを担当している。エンジニアの立場でありながら、時には演出の機能を提案し、それが採用されることもある。
「結構自由にやらせてもらってます。提案すると、上がすぐに検討してくれるんです」
チームメンバーはデザイナーやプランナーを含めて約8人で構成されており、シンさん以外は全員日本人であるという。しかし、コミュニケーションに困ることはない。
「結構スムーズです。AI(人工知能)があるじゃないですか」
シンさんは、AIの翻訳機能が大きな助けになっていることを明かし、このインタビューのために作成したプロフィール資料もAIの支援を受けて記述したと種明かしをする。
OGIXでは従業員がAIを積極的に活用するよう推進しており、コードの一部をAIに書かせる試みも行われているという。シンさん自身も改修案や改善できる箇所などのコードをAIに任せており、「想像力を持ってやるところは人がやって、ルーティンの仕事などはAIにやってもらった方がいい」と考えているという。
「運営サイコー!」って言われると超うれしい
今後の展望としてシンさんは、エフェクト系や演出の仕事に強い関心を示している。
コロナ禍のリモート期間中にVTuberの配信を見たり、ライブに行ったりした経験から、特に「ライブの演出」に興味を持ったという。ゲームをプレイする際も、演出やエフェクトに注目するようになり、機会があれば将来的にはそれらの分野に関わりたいと語る。
バーチャルライブへの関心もあるし、趣味で遊ぶことが多いシューティングゲームにも携わってみたい、とやりたいことがたくさんだ。だが当面は、ゲームを作りやすい環境である日本で、大好きなスマホのゲーム開発を続けていきたいと考えている。
自分でゲームを作るようになってからは、他の人が作ったゲームをプレイする際の視点も変わったという。「こうすればいいのに」といった改善点や、「エフェクトの出し方とか、ゲームの処理方法の違いとか」といった学びの視点で見ることが増え、「遊びだけど勉強になります」と語る。
シンさんにとってゲームを作る魅力は、「遊んで楽しいし、作るのも楽しい。どっちも楽しい」という点にある。
特にスマホゲームの場合、「X(旧Twitter)」などでユーザーの意見がすぐに見られるため、それを見ると「開発で苦労した苦しみが一挙になくなりますね」と、ユーザーからの肯定的な反応が大きなモチベーションになっていることを明かす。
「『楽しい!』とか『運営サイコー!』とか書いてあると、超うれしいです!」
Go's Thinking Aloud
飄々(ひょうひょう)としている。
希望する学校に入れなくともそれほど落ち込むことなく、実家の父を手伝いながら高校に通った。ゲームが好きだったので日本に行こうと思った。専門学校卒業後は、「若いときしか遊べない」と1年間意識的に放浪した。
それでも最終的に就職でき、思い描いていた好きな仕事ができるようになった。今はやりたいことを、AIと一緒に楽しくやっている。
自分で決めたことを迷わずに楽しく続ける。そうすれば当然技量が上がる。当たり前のことだが、これが仕事の最強のモチベーションになると改めて思った。
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