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AIファースト時代に「SaaS管理」が急成長している背景は? 市場動向をITRが分析売上金額は2023年度比約59%増

ITRは、2023〜2029年度のSaaS管理市場の売り上げ規模の推移および予測を発表した。生成AIの登場でSaaSの利用は鈍化しつつあるという声もある中、SaaS管理市場はその動きに”逆行”していることが分かった。

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 アイ・ティ・アール(ITR)は2025年7月24日、国内のSaaS(Software as a Service)管理市場規模の推移および予測を発表した。国内のITベンダー60社への調査に基づいた2023〜2024年度売り上げ実績と、2029年度までの売上予測をまとめたものだ。

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 なお、本調査における「SaaS管理」は、複数のSaaSを1つのシステムで管理する製品やサービスを指す。

”SaaS時代の終わり”に逆行する同管理市場の盛り上がり

 近年、生成AI(人工知能)の普及によって、企業のIT環境はAI活用を前提とした「AIファースト」の時代に移行しつつある。それに伴い、単機能的な従来のSaaS利用は鈍化するのではないかといった噂もある。こうした“SaaS時代の終わり”が話題になる一方で、SaaS管理市場は逆に強い成長を見せている。

 調査結果によると、SaaS管理市場の2024年度の売上金額は27億円で、2023年度から58.8%増加した。2025年度は2024年と比べて46.3%増えるとITRは予測している。

 SaaS管理の需要が急速に高まっている背景には、企業の幅広い業務においてSaaSの利用が拡大する中、SaaS管理の煩雑さで生じる無駄な費用やセキュリティリスクを軽減したいというユーザー企業の期待がある。

 ITRによると、SaaS管理市場の市場規模は拡大が続く見込みだ。同社によると、高い市場シェアを占めるSaaS管理ベンダーが市場の成長をけん引している一方、新規参入するベンダーは増加傾向にあり、2029年度の市場規模は90億円に達すると予測している。

 ITRの入谷光浩氏(シニア・アナリスト)は、「アカウントの棚卸しや契約状況の見える化、ライセンスの最適化、シャドーITの検出を通じて、ITガバナンスとコスト最適化を同時に実現するSaaSの利用は、生成AIの普及も相まって加速する。IT管理者の人材不足に悩む企業にとって、SaaS管理は不可欠なソリューションになる」と述べている。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。