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この先、どうなるのかな?――40代から考える、エンジニアのキャリア仕事が「つまんない」ままでいいの?(127)(4/4 ページ)

「この先のキャリア、どうなるんだろう?」そんな不安を感じる40代のエンジニアへ。人生100年時代、これからも「長く活躍したい」と願っているはず。実は企業も同様です。このすれ違いを解消するために、あなたの経験を生かし、無理なくキャリアの未来を開くヒントを提案します。未来への小さな一歩を踏み出すきっかけにしてください。

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あなたの未来は、あなたのペースで作る

 ここまで、人生100年時代を生きるミドルシニアエンジニアの皆さんが、漠然とした不安とどう向き合い、小さな一歩を踏み出していくか、そのためのヒントをお話ししてきました。

 「この先、どうなるんだろう……」という不安な気持ち、よく分かります。頭では「変わらなきゃ」と理解していても、実際に動くのは、なかなか難しいですよね。「理想的にはそうだけど、でも……」そんなふうに思ってしまうのは、決してあなただけではありません。

 でも、考えてみてください。かつては「終わり」が見えていたキャリアも、いまや「まだ続く」可能性を秘めています。ミドルシニア世代が持つ豊富な経験と知識、そして何よりも「困難を乗り越えてきた粘り強さ」は、IT業界にとって、そして社会にとって、かけがえのない財産です。

 「もう年だから」と自分にブレーキをかけるのは、もうやめましょう。あなたのキャリアは、あなたのペースでまだまだ変化し、成長していくことができるはずです。

 今日から、本当に小さな一歩で構いません。再発見したあなたの強みを、まずは身近な誰かに、気負わず話してみること。そして、あなたが「少し気になるな」と感じるロールモデルの考え方や言動を、参考にできることから取り入れてみること。

 そうやって、あなた自身が少しずつ行動を起こしていくことで、本来なら相思相愛であるはずの、企業との間の「すれ違い」は、きっと解消されていくはずです。

最後に「企業の人事、研修担当者に伝えたいこと」

 最後に、企業の人事や研修担当者の皆さんへ。人口減少や少子高齢化社会により人材不足が間近に迫る中、ミドルシニアの可能性に目を向けてくださりありがとうございます。本当はいままでのように、若い人材が来てくれたらうれしいですよね。でも、人口減少社会の中、その選択の先にあるのは人材の奪い合い、まさにレッドオーシャンです。一方、ミドルシニア世代のキャリア開発、人材活用はブルーオーシャンです。かつ、彼らは多くの経験を積んでいます。

 でも、「ミドルシニア世代に活躍してほしい」と願っている一方で、方や「ミドルシニア世代は、新たなことを学ぼうとしない」「みんな、逃げの姿勢だ」などと、ミドルシニア世代をまるっとひとくくりにして見ていませんか? もちろん「やっぱりダメだ」と思いたくなる人もいるでしょう。でも、まだまだ活躍できる人もたくさんいるはずです。

 これまでは、ある年齢で一律に役職を外したり、退職させたりする「奪うマネジメント」をしてきました。若い世代が多くシニア世代が少ない、人口が「ピラミッド型」の時代には、それが正しいやり方でした。

 しかし、人口が減少し、人材不足になるこれからの時代に大切なのは、一人一人の可能性に目を向けること、つまり、多様性が大切なのではないでしょうか。ミドルシニアの皆さんが、今回紹介したプロセスを歩めるよう、支援してください。

 労働者と企業、お互いが「相思相愛」の関係を、お互いの小さな行動から、築き始めること。それが、あなたの未来を、そして、企業の未来を作っていくのだと思います。

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「Z世代・さとり世代の上司になったら読む本 引っ張ってもついてこない時代の「個性」に寄り添うマネジメント(翔泳社)」「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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