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「だから自社にはAIエージェントが入らないのか……?」Salesforce事例で明らかになった“導入を成功させる要素”とは:Salesforceが採用した「5つの戦略」
Salesforceは、AIエージェント導入の取り組みについて、同社の戦略を明らかにした。同社は、AIエージェントは人間とAIの新たな協働時代への触媒だと捉え、この変化を乗り越えるには、人間的要素を優先する必要があるとしている。
Salesforceは2025年4月16日、AIエージェント導入に関する同社の取り組みをブログエントリで公開した。AIエージェントは、単なる補助ツールから、仕事の在り方を根本的に変える存在へと進化している。だが、AIエージェントの効果的な導入には、技術の導入だけでなく、従業員のトレーニングや組織設計など、多くの課題があると同社は指摘する。
導入成功の鍵を握る「5つの戦略」とは
SalesforceがAIエージェントの導入を成功させるために採用した戦略は以下の5つ。
- トップダウンとボトムアップの両面からのアプローチ
- 変革の担い手の特定
- 透明性のあるコミュニケーション
- ゲーミフィケーションの活用
- リスキリングへの投資
例えばリスキリングについて同社は「AIエージェントがより多くの責任を担うようになれば、従業員の役割は進化し、“デジタルな同僚”と効果的に協働するための新しいスキルと能力が求められる」と指摘。この変化を乗り切るために、企業はリスキリングとスキルアップの取り組みに投資し、従業員が新しい環境で活躍できるよう、知識とツールを身に付けさせる必要があるとSalesforceは説明する。
同社のロリ・カスティーリョ・マルティネス氏(人材育成担当 エグゼクティブバイスプレジデント)は、「2025年末までに、技術スキルやヒューマンスキル、ビジネススキルを少なくとも80%の従業員に提供することを目標にしている。そして、それを実現するための技術と機会を提供している」とリスキリングの重要性を訴えている。
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