Windows 11で「Dev Drive」が利用可能に どんなデータに適しているのか:新たなファイルシステム「ReFS」とは
Microsoftは、「Windows 11 バージョン 22H2」の更新プログラムで新しい「Dev Drive」機能の提供を開始した。
Microsoftは2023年10月13日(米国時間)、「Windows 11 バージョン 22H2」の更新プログラムで新しい「Dev Drive」機能の提供を開始したと公式ブログで明らかにした。Dev Driveは、主要な開発者ワークロードのパフォーマンス向上のために使用できる新しい形式のストレージボリューム。
Dev Driveは、Microsoftの新しいファイルシステムである「Resilient File System」(ReFS)に基づいて構築されており、ストレージボリュームの設定とセキュリティのきめ細かな制御(信頼の指定、ウイルス対策の構成、アタッチするフィルターの管理など)が可能だ。
Dev Driveでは、以下のようなデータを格納することが想定されている。
- ソースコードリポジトリとプロジェクトファイル
- パッケージキャッシュ
- ビルドの出力ファイルと中間ファイル
Dev Driveを使用するには?
「format /?」コマンドを実行し、ヘルプテキストに「/DevDrv」パラメーターが表示されていれば、Dev Driveを使用できる。表示されない場合は、Windowsの追加パッチ(KB5030509)をインストールすることで、明示的に有効にできる。
新しいDev Driveを設定するには、Windowsの「設定」アプリを開き、[システム]-[ストレージ]-[ストレージの詳細設定]-[ディスクとボリューム]ページで、[開発ドライブを作成する]-[開発ドライブの作成]を選択する。
Dev Driveで採用されたReFSの特徴は?
ReFSは、データの可用性を最大化し、さまざまなワークロードの大規模データセットに対して効率的に拡張され、破損に対する回復性を備えたデータ整合性を提供するように設計されている。
Dev DriveではReFSが採用されているため、ストレージボリュームを開発ワークロード専用に初期化できる。また、高速なパフォーマンスが得られる他、開発シナリオに合わせて設定をカスタマイズし、最適化できるという。
パフォーマンスとセキュリティを両立する機能
セキュリティと信頼は、プロジェクトファイルを操作する際の重要な考慮事項であり、通常、パフォーマンスとセキュリティの間にはトレードオフがある。Dev Driveを使用すれば、開発者とセキュリティ管理者がフィルターを選択してアタッチしたり「Microsoft Defender Antivirus」(Microsoft Defender ウイルス対策)のスキャンを設定したりしてバランスを制御できる。
既定の設定では、ウイルス対策フィルター(Microsoft Defender用とサードパーティーのウイルス対策ソフトウェア用の両方)がDev Driveに追加される。Microsoft Defender Antivirusは、既定でDev Driveに対して新しい「パフォーマンス」モードに設定される。
これにより、Microsoft Defender AntivirusのスキャンがDev Drive内のファイルに与えるパフォーマンス上の影響が軽減される。Microsoft Defender Antivirusでは、保護レベルを上げるための「リアルタイム保護モード」も提供される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
WindowsのNTFSとReFSの違い
Windows Server 2012で導入されたReFSは、耐障害性やスケーラビリティを向上させた新しいファイルシステムである。だがNTFSと比較すると不足する機能も少なくない。両者の違いをまとめておく。Windows 10の最新はReFS v3.4、Windows 11はReFS v3.7、そしてどちらもReFS v2、さて何のことでしょう?
2022年1月の月例更新プログラム(Bリリース)では、ReFS形式でフォーマットされたドライブが正常にマウントできなくなるという重大な問題が報告され、1週間後の定例外の更新プログラムで修正されました。しかし、この問題の影響を受けるのは、利用できないとされている、「サポートされていない使い方」をしていた場合というオチが付いていました。AIサービスはまだ不安? 企業内で「Bingチャット」や「Bingチャットエンタープライズ」の使用を禁止したい
MicrosoftはMicrosoft Edgeでの「www.bing.com」へのアクセスで、GPT-4ベースの「Bingチャット」を利用可能にしています。この機能は、サイドバーに統合された「Bingチャット」からも利用可能です。個人ユーザーであれば、Bingチャットを利用する/しないは自由ですが、企業の場合、機密データの漏えいリスクを懸念して、社内のデバイスからは利用させたくないと考えるかもしれません。