IBMが「99.9999%の可用性を実現」と強調する、Powerサーバの新バージョンを発表:企業の業務基盤としても有用
IBMは、「IBM Power」サーバの新バージョンを発表した。可用性とサイバー脅威への耐性に強みを持ち、AIやクラウドサービスへの対応も強化しているという。
IBMは2025年7月8日(米国時間、以下同)、同社が展開するエンタープライズサーバ「IBM Power」シリーズの新しいバージョン「IBM Power11」(以下、Power11)の提供を開始すると発表した。可用性、処理性能、セキュリティに加え、AI(人工知能)やクラウドの活用を想定した機能強化が施されている。
「ランサムウェアも1分以内に検知できる」と自信
可用性の面では、IBMは「Power11の可用性は99.9999%で、システムメンテナンス中であってもアプリケーションを停止させずに運用を継続できる」としている。
性能面では、同社の「IBM Power9」と比較して最大55%、「IBM Power10」と比べて最大45%処理能力が向上したという。
セキュリティ面では、NIST(米国国立標準技術研究所)のサイバーセキュリティガイドラインに準拠した機能や、将来的な暗号技術への対応としての「量子耐性暗号」が導入されている。また、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)脅威に対する機能「IBM Power Cyber Vault」も備えており、同社は「1分未満の検知が可能だ」と説明している。
AIやクラウド利用を見据えた構成に対応
Power11はAI処理への対応も強化されている。2025年第4四半期に提供される専用のアクセラレーター「IBM Spyre Accelerator」を使えば、AIモデルの推論や分析など、計算負荷の高い処理にも対応できるようになるという。
大規模システム向けの「ハイエンド」、中規模向けの「ミッドレンジ」、小規模や部門単位向けの「エントリー」といった規模別のオンプレミス構成以外にも、クラウドサービス「IBM Cloud」上でPower11の機能を利用できるサービス「IBM Power Virtual Server」も提供されている。クラウド版はSAPのクラウドサービス「RISE with SAP」での認定を受けており、企業の業務データベースや基盤としても利用可能だ。
Power11は2025年7月25日から提供が開始される予定だ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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