固定電話の接続方式移行を支援するOSSベースの仮想ネットワーク管理機能をKDDIとNECが開発:「開発した成果はOpenStackコミュニティーに還元」
KDDIとNECは、「OpenStack Tacker」を利用した仮想ネットワーク管理機能を開発した。IPによる国内事業者間の固定通話接続に向ける。さまざまな仮想ネットワーク機能の管理や制御、構成変更を自動で実施できる。
KDDIとNECは2020年10月26日、オープンソースソフトウェア(OSS)の「OpenStack Tacker」を利用した仮想ネットワーク管理機能(VNFM)を同年10月20日に開発したと発表した。固定通話の接続方式変更を支援する目的。
開発した成果はOpenStackコミュニティーに還元
固定通話の国内事業者間接続で使っている従来の回線方式は、開発者の確保や専用設備の継続的な開発が難しいという課題を抱えていた。そのため、交換機の維持限界と想定される2025年までに接続方式をIPベースに移行する予定だ。今回、KDDIとNECが開発したVNFMは、IP相互接続化に伴って必要となる、さまざまな仮想ネットワーク機能(VNF)の管理や制御、構成変更を自動で実施するもの。
KDDIとNECは、OpenStack Tackerを採用した利点として、VNFをネットワークに接続することが容易となり、迅速なサービス提供が可能になる点を挙げた。OpenStack Tackerはネットワーク仮想化の現実的な課題の解決に継続的に取り組んでいる点や、公開された場で多くの開発者に検証されるため信頼性が高く、安定した運用が可能であることも評価した。
KDDIとNECは「KDDIはユースケースをOpenStackコミュニティーに提供し、そのユースケースを受けて商用開発経験のあるNECが商用導入可能な機能として開発することで、通信事業者の要望をソフトウェアに反映させ、コミュニティーの発展に貢献する」としている。
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