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Ultra Ethernet Consortium、AIやHPC向けの新ネットワーク規格「UEC Specification 1.0」を発表ベンダーロックインを防ぐ

Linux Foundation傘下のUltra Ethernet Consortium(UEC)は、「UEC Specification 1.0」を公開した。スイッチ、ケーブルなどネットワークスタックの全階層にわたって、高性能でスケーラブルかつ相互運用可能な仕組みを提供するという。

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 Linux Foundation傘下のUltra Ethernet Consortium(UEC)は2025年6月11日(米国時間)、ネットワークに関する新規格である「UEC Specification 1.0」を公開した。同団体は「現代のAI(人工知能)およびHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)ワークロードの厳しい要件に対応するために設計された、イーサネットベースの包括的な通信スタックを実現する」としている。

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これからのインフラニーズに応える

 UEC Specification 1.0はベンダーロックインを防ぐ“オープンで相互運用可能な標準”を目指しているため、「業界全体で広く採用が進められており、実装とコンプライアンスプログラムの取り組みが活発だ」という。

 かつてないペースで進化し続けるAIやHPCのワークロードに対処できるよう、UEC Specification 1.0には、以下のような特徴がある。

  • イーサネットおよびIPネットワーク向けの最新RDMA(Remote Direct Memory Access)
  • オープン標準と相互運用性
  • エンドツーエンドのスケーラビリティ

 UEC Specification 1.0は世界的に採用されているイーサネット標準を基盤としているため、ハードウェアからアプリケーションに至るまで、技術スタック全体で容易に導入できる。このハードルの低さは、クラウドインフラ事業者やハイパースケーラー、DevOpsチーム、AIエンジニアリングチームにとってメリットとなる。

新時代に向けた大きなマイルストーン

 UECの運営委員会のチェアを務めるメッツ博士は、「UEC Specification 1.0仕様の公開は、『AIとHPCの時代に向けてイーサネットを再定義する』というUECのミッションにおける大きなマイルストーンだ」と述べている。

 UECには、IT業界の主要企業や組織が多数参加している。2025年6月現在、ステアリングメンバーはAMDやArista Networks、Broadcom、Cisco Systems、Eviden、HPE(Hewlett Packard Enterprise)、Intel、Meta、Microsoft、Oracle。一般会員はAlibaba CloudやArrcus、VNET Group、ByteDance、Cadence Design Systems、Cornelis Networks、Dell Technologies、Enfabrica、Google Cloud、Huawei、IBM、Juniper Networks、Keysight Technologies、ローレンス・リバモア国立研究所、Lenovo、Marvell Semiconductor、MIPS Technologies、H3C Technologies、Nokia、NVIDIA、Preferred Networks、Pure Storage、Qualcomm、Spirent、Synopsys、ZTE。

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