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深層学習モデルのサイズを30分の1に NEDOとアラヤが自動圧縮ツールを開発FPGAにもAIを実装可能に

NEDOとアラヤは、深層学習用ニューラルネットワークモデルを自動で最大約30分の1に圧縮し、FPGAに実装可能なソースコードを出力するツールを開発した。自動車やスマートフォンといったエッジデバイスにもAIを実装できるようになる。

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 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2019年11月18日、AI(人工知能)の深層学習用ニューラルネットワークモデルを自動で圧縮し、プログラム可能な半導体「FPGA」(Field Programmable Gate Array)に実装可能なソースコードを出力するツールをアラヤと共同で開発したと発表した。アラヤは同ツールを「Pressai(プレッサイ)」の名称で2020年3月に提供開始する予定だ。

 NEDOとアラヤが開発したツールは、ニューラルネットワークモデルの精度をほぼ維持したまま、モデルのサイズを最大約30分の1に圧縮する。こうすることで自動車やスマートフォンといったエッジデバイスにもAIを実装できるようになる。アラヤの深層学習モデル圧縮技術を基に開発した。

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エッジデバイスへのAI搭載プロセス

「深層強化学習」の圧縮も取り組む

 NEDOによると、物体検知や意味的領域分割、姿勢推定などの深層学習モデルの入力に近い層(Base Network層)は、汎用(はんよう)的な特徴を抽出する役割を担うネットワーク構造が同じような形をしているという。そこでNEDOは、これらの層を共通化することで、演算量を削減。さらに複数の圧縮手法を組み合わせて、演算量を削減した。圧縮に当たっては、学習と圧縮を交互に繰り返しながら、ツールが自動的に圧縮用パラメーターを探索する。

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Base Network共通化とネットワーク圧縮による演算量削減

 NEDOとアラヤは今後、「深層強化学習」の圧縮にも取り組む。深層強化学習は、深層学習による特徴抽出と、強化学習による予測制御を組み合わせたアルゴリズム。ロボット制御などに利用できる。NEDOとアラヤは「深層強化学習は周辺の環境に応じて適切に制御する必要がある」としており、環境シミュレーターと連動した学習機能を備える深層強化学習用ニューラルネットワークモデルの自動圧縮、実装ツールを開発する予定だ。

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