日本CTO協会が「Developer eXperience AWARD 2025」を発表し、Google、メルカリ、LINEヤフーなどが、エンジニアの考える開発体験の良さそうな企業として上位にランクインした。エンジニアたちは、テックブログやXなどさまざまなチャネルから、開発体験を推察していた。
日本CTO協会は2025年7月15日、「Developer eXperience AWARD 2025」を発表し、エンジニアたちが「開発者体験が良さそうだ」と感じた企業上位30社と、そう思うに至ったポイント、それらの情報との接点を発表した。
有効回答数は901件、ForkwellやFindyなどのエンジニア転職サービスの登録会員に対し、Webで調査を実施した。
上位30社は以下の通り。
ランキングの首位はGoogle。メルカリ、LINEヤフーがこれに続いた。その他の上記企業は、サイバーエージェント、LayerX、クラスメソッドなど。2023年、2024年と上位にランクインしていた「ゆめみ」(2025年5月にアクセンチュアからの買収に合意)は、2025年は15位にランクダウンした。
エンジニアたちは、どのような情報から企業を「開発体験が良さそう」と判断したのだろうか。
上位企業は、開発生産性、開発プロセスなどの「開発戦略」、技術選定、アーキテクチャ、研究開発などの「技術戦略」、ドメイン、プロダクトマネジメント、ロードマップなどの「プロダクト戦略」において高いポイントを得ており、エンジニアが考える「開発体験の良さ」が具体化された。
技術要素以外では、「組織戦略」や「マネジメント」「組織文化」といった項目が上位30社全体で高いポイントを得ている。心理的安全性やチームビルディング、キャリアパスなど、エンジニアが長期的に成長し続けるための要素も、「開発体験」を構成するポイント要素として重視されていることが分かった。
エンジニアたちはこれらの情報を、どのようなチャネルから得ているのだろうか。
情報発信のチャネルは、テックブログやQiita、Xでの投稿の認知度が高かった。企業の公式採用サイトも半数以上のエンジニアに認知されており、外部採用サイトも含めたエンジニアのインタビュー記事は、多くのエンジニアに認知されていた。所属エンジニアの生の声や体験も、貴重な判断材料であることがよく分かる。
ビジネス価値を支えている開発者の生産性、創造性の引き出し方でビジネスの成果は大きく変わる。優秀な人材の獲得が難しくなっている今、「何が重視されているのか」とランクインした企業の製品/サービス、その特徴や評判を併せて考えてみると、自社ビジネスを伸ばすヒントもつかめるのではないだろうか。
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