AWSが「Amazon Q Developer」にCLIとカスタムエージェント機能を追加プロジェクトごとに最適化されたエージェントを利用可能に

AWSは2025年7月、生成AI開発支援ツール「Amazon Q Developer」にCLI機能とカスタムエージェントを追加したと発表した。これによって開発者はプロジェクト管理やコード生成を効率化し、チーム全体で統一された開発体験を実現できるという。

» 2025年08月19日 08時00分 公開
[@IT]

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 Amazon Web Services(AWS)は2025年7月31日(米国時間)、生成AI(人工知能)ベースの開発支援サービス「Amazon Q Developer」に、コマンドラインインタフェース(CLI)とカスタムエージェント機能を追加したと公式ブログで発表した。

 同社は「開発現場では異なるツールや手順が混在し、チーム全体で統一性を保つことが難しい。この課題を、CLIとカスタムエージェントで根本から解決する」と説明している。

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CLIでローカル環境からAI支援を活用

 「Amazon Q Developer CLI」は、ローカル環境から直接AI支援機能を利用できるようにする点が特徴だ。コード生成やデバッグ、タスク管理などをターミナル上で実行可能で、AWSは「スクリプトや自動化パイプラインへの統合も容易になる」としている。

カスタムエージェントで柔軟なワークフロー構築

 カスタムエージェントは、特定のプロジェクトや組織の要件に合わせてAIの動作を柔軟に設定できる機能だ。

 開発者は設定ファイルを使い、エージェントが利用するツール、アクセス権限、プロンプト、参照コンテキストなどを細かく指定できる。例えば、以下のような構成があるとする。

  • フロントエンド向けエージェント:「React」や「Figma」といったUI(User Interface)開発ツールを統合し、Figmaの「Dev Mode MCPサーバ」との連携やファイルシステム操作を許可する
  • バックエンド向けエージェント:「Python」や「PostgreSQL」に特化し、データベーススキーマへの読み取り専用アクセスを設定。データの安全性を確保しつつ効率的な開発を実現する。

 こうした環境では、それぞれ前提となるコンテキストが異なる。カスタムエージェントを使うことで開発者はq chat --agent front-endq chat --agen``t back-endといったコマンドで、“最適化された環境”を即座に切り替えられる。ツール権限の設定により、不要な操作やセキュリティリスクも排除できる点も特徴だ。

チーム共有で統一ルールを適用

 カスタムエージェントはチーム単位で共有できるため、コードレビュー基準や成果物の形式といったプロジェクトルールを、チーム全員が統一的に適用できる。これにより、プロジェクト間のコンテキスト切り替え時の認知的負荷を軽減し、開発効率だけでなく品質向上にもつながる。

 今回の機能追加によってAmazon Q Developerは、AIがプロジェクト固有のワークフローやルールを理解し、開発の進め方に合わせて支援できるようになった。これによってチーム内の知見を効果的に共有できるだけでなく、新しく参加したメンバーもAIのサポートを受けることでスムーズに環境に慣れ、立ち上がりにかかる時間を短縮できる。

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