クラウドエースの調査によると、ほとんどのゲーム開発企業がクラウドサービスを利用する半面、クラウドのメリットである柔軟性や俊敏性を生かしたサービス提供に必ずしも適応できていない状況が浮き彫りとなっている。
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柔軟で迅速に調達でき、迅速なサービス提供が可能になる――こうした背景の下、多くの企業がクラウドサービスを採用し、自社のビジネスを推進している。
クラウドエースが2025年6月に実施した調査によると、ゲーム開発業界におけるクラウドサービスの利用率は90%を超えており、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azureが軒並み4割を超える利用率で拮抗(きっこう)していた。クラウドエースは「特定のサービスに集中するのではなく、複数のクラウドを適材適所で利用する『マルチクラウド』が主流になっている実態がうかがえる」と分析している。
だが、ほとんどのゲーム開発企業がクラウドサービスを利用する半面、クラウドのメリットである柔軟性や俊敏性を生かしたサービス提供に必ずしも適応できていない状況が浮き彫りとなっている。
同調査によると、ゲーム開発プロジェクトにおいて直面する技術課題のトップ3は「急激なトラフィック増加への対応」(47.3%)、「コスト最適化」(35.2%)、「大規模データの効率的な処理と分析」(34.1%)だった。
では、これらの技術課題を解決するために、どのようなクラウドの機能や特性が重要視されているのか。
同調査では、技術課題に対して最も重視するクラウドの特性や機能として「自動スケーリング機能の柔軟性」(48.8%)「グローバルネットワークの品質と到達性」(45.3%)「リソース使用状況の可視化とコスト管理ツール」(40.7%)が挙がっており、「マネージドKubernetesサービスの使いやすさ」(34.9%)といった回答もあった。
技術課題の1位である急激なトラフィック増加や、2位のコスト最適化の課題は、サービスの安定性やビジネスの継続性、ビジネス成長を左右する重要な経営課題といえる。クラウドの真の価値である柔軟性や俊敏性を確保するためにも、クラウドネイティブな取り組みは欠かせない。多様なクラウドサービスが登場する今、オンプレミスと同様の考え方でシステムを設計、構築するのではなく、同調査でも言及されている「自動スケーリング」といった仕組みも踏まえ、方策を検討する必要があるだろう。
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