GitHubは、エンジニアとしてのキャリアをスタートしたばかりの「ジュニアエンジニア」に向けて、エンジニアの成長に役立つ教訓をブログ記事で公開した。
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GitHubは2025年5月21日(米国時間)、「ジュニアエンジニアの成長」に関するブログ記事を公開した。
同ブログ記事は、スタートアップ(新興企業)でキャリアをスタートさせ、GitHubでジュニアエンジニアから2年半で中級エンジニアへと成長したエリザベータ・クラマレンコ氏が執筆した。同氏は、これからキャリアを築いていくエンジニアの成長に役立ててもらいたいという思いから、自身の経験を通じて得た教訓を共有している。また、チームの一員として後輩をサポートするために心掛けるべきことについても挙げている。
ブログ記事の内容は以下の通りだ。
質問することは弱さではなく、強みだ。問題を解決するために助けを求める前に、例えば1時間という制限時間を設けて、自分で答えを見つけようとする時間が必要だ。それとともに「何を質問すべきか」を把握することも重要になる。全てのジュニアエンジニアがメンターやチームメンバーに聞くべき有益な質問として、以下が挙げられる。
次のように自問するのも有効だ。
自分の学びや成果を、何らかの形で示すことは重要だ。スタートアップであればチーム規模が小さいため、努力や功績は自然と他人の目にとまるが、GitHubのような大企業では、意識的に可視化しないと埋もれてしまう。
可視化については「ドキュメントに不足があったら、更新してチームに周知する」「チームでバグ修正に取り組んでいる場合、分かったことを要約して共有し、後でチームメンバーが参照しやすいようにする」といったことが役立つ。
優れたチームワークは、単に複雑な問題を解決したり、成果を達成したりするだけでなく、明確かつ簡潔なコミュニケーションを取り、進捗(しんちょく)、課題、決定事項を共有し、追跡しやすくすることで成り立つ。例えば、厄介な問題の解決方法を見つけたら、チームに共有する。チームの議論をリードして、曖昧な問題を明確化したら、意思決定ログにエントリを追加する。記録を残すことは、チームやステークホルダーに加え、将来の自分にとっても有益だ。
成長するために職場での信頼関係の構築は欠かせない。
先輩エンジニアに教えを受けたり、社内コミュニティーに参加したり、他チームとの雑談の機会を設けたり、ペアプログラミングの相手を買って出たりするのが効果的だ。他人に頼るだけでなく、自らも知識を共有し、周囲の成長を後押しすることで、チームに欠かせない存在として認知されるようになる。これは同僚からの評価や、昇進の機会にもつながる。
キャリア初期には全ての技術分野を習得しようとしがちだが、焦って手を広げ過ぎると、中途半端な理解に陥る。必要なスキルに集中し、深掘りしてから、取り組む分野を広げていくことで、着実に成長できるだろう。
「自分は思ったほど有能ではないのでは」と感じる瞬間は誰にでもある。だが、こうした思い込みは行動力を鈍らせ、成長や昇進の機会を失うことになりかねない。
不安を感じたら、メンターやチームメンバーに相談し、成功体験を記録して自信を取り戻すことが重要だ。完璧である必要はなく、成長の過程を楽しむ姿勢が真の前進につながる。
ジュニアエンジニアをサポートするには、挑戦を促しつつ安心感を与える環境が不可欠だ。以下では、そのためにチームメンバーが取るべきアプローチを説明する。
新しい知識の習得は困難を伴うものであり、ジュニアエンジニアが同じ質問を繰り返すこともある。その際はいら立つのではなく、なぜ知識が定着しないのかを考え、理解を助ける方法を提供することが望ましい。ハンズオンセッション、参考記事、動画、ストレッチ課題など、多様な方法を試し、本人が最適な学習スタイルを見つけられるよう支援することが大切だ。
「簡単だ」「とにかくやってみて」と突き放すのではなく、困難であることを認め、具体的な助言や資料を提供すべきだ。失敗を恐れずに学べる環境が、挑戦意欲の土台となる。
答えをすぐに与えるのではなく、調べ方や考え方を伝えることで、ジュニアエンジニアの自立性を育むべきだ。ただし、サポート体制なしで複雑なタスクを丸投げするのは逆効果であり、自信を失わせる要因となる。段階的に難易度が上がるようにタスクを与え、必要な支援を惜しまないことが肝要だ。
問題点を指摘するだけでなく、良い行動や成果を積極的に称賛することが、モチベーションの向上につながる。コードの品質、ツールの活用、適切な判断など、進歩を実感させるフィードバックは、ジュニアエンジニアが弱気に流れないようにするためにも効果的だ。
エンジニアとは、常に学び続ける職業だ。困難な局面は避けられないが、挑戦を続けることが成長の糧となる。
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