Gartnerは、2027年までにビジネスにおける意思決定の50%が、AIエージェントによって拡張/自動化されるようになると予測している。本稿では、AIエージェントを意思決定インテリジェンスに統合するため、データとアナリティクスのリーダーが検討すべき4つの項目を紹介する。
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企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)とイノベーションを推進し、自律的なビジネスを目指す中、新しいアナリティクス技術やAI(人工知能)技術の導入が進んでいる。その一つがAIエージェントだ。
AIエージェントは、特定のビジネスコンテキスト(文脈)に合わせて動的な意思決定フローを実現することで、DI(意思決定インテリジェンス)において重要な役割を果たす。データから洞察を導き出し、洞察を行動につなげるまでのタスクをオーケストレーションし、意思決定の拡張と自動化の可能性を押し広げる。
Gartnerは、2027年までにビジネスの意思決定の50%が、意思決定インテリジェンスのためにAIエージェントによって拡張または自動化されるようになると予測している。
AIエージェントは、人間の知識と経験を補完することで意思決定を強化する。多様なソースからのデータの分析や取得する際の複雑さを自動化、管理し、個別の意思決定に合わせてそのプロセスを調整する。本質的に、人間の意思決定者を支援し、人間とAIのシナジーによる最適な意思決定を目指している。
AIエージェントは意思決定インテリジェンスプラットフォームにおいて、アナリティクスとAIが生み出すインパクトや価値の向上に大きく貢献する。これは、より汎用(はんよう)的なソリューションの場合とは異なり、ビジネスの意思決定にこれらの技術をカスタマイズして適用し、深く統合することで実現される。
AIエージェントは、ビジネスの意思決定者のためにアナリティクスとAIへのアクセスを民主化し、従来のセルフサービス分析の手法と比べて、作業を容易にする。ユーザーと自然言語でやりとりできるAIエージェントは、アナリティクス/ビジネスインテリジェンス(ABI)プラットフォームの必要性に影響を与えると予想される。
意思決定インテリジェンスのためのAIエージェントは、他のAIエージェントと連携して動作する。例えば、決定事項の実行を担うAIエージェントは、人間とコミュニケーションを取ったり、業務アプリケーションを呼び出したりすることで、目指す成果の達成を図る。また、意思決定の監視役として機能するAIエージェントは、リスクの軽減、説明の提供、意思決定の評価、学習の促進をする。
ただし、意思決定インテリジェンスのためのAIエージェントは、万能ではなく、完璧でもない。その活用には、効果的なガバナンスとリスク管理が不可欠だ。人間の意思決定者には、データとAIに関する適切な知識とリテラシーが依然として求められる。意思決定者を支える、信頼性の高い堅牢(けんろう)なデータ基盤(社内外のマルチモーダルなソースを含む)も必要だ。
AIエージェントを意思決定インテリジェンスに効果的に統合するために、D&A(データとアナリティクス)のリーダーは以下の推奨事項の実施を検討すべきだ。
出典:Transforming Decision Intelligence with AI Agents(Gartner)
※この記事は、2025年3月に執筆されたものです。
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