コンテナをGUIで起動、停止できる無料の「Podman Desktop」で、コンテナ管理を始めてみよう次世代コンテナエンジン「Podman」「Podman Desktop」入門(3)

次世代コンテナエンジンの一つ「Podman」と、そのデスクトップツールである「Podman Desktop」でコンテナを管理する方法を解説する本連載。今回は、Podman Desktopを使ってGUIでコンテナを起動、停止させる方法を解説します。

» 2025年05月22日 05時00分 公開
[鎌田啓佑サイオステクノロジー]

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 次世代コンテナエンジンの一つ「Podman」と、そのデスクトップツールである「Podman Desktop」でコンテナを管理をする方法を解説する本連載第2回は、Podmanでコンテナイメージを取得し、コンテナイメージを基にコンテナを起動したり、停止したりする方法を解説しました。今回は、前回の内容をデスクトップツールであるPodman Desktopで実現する方法を解説します。

Podman Desktopでコンテナイメージを取得するには

 まずはコンテナイメージを取得しましょう。前回同様、Apache httpdのコンテナイメージを取得します。Podman Desktopを起動したら、左のメニューから「Images」を選択します。

左のメニューからImagesを選択 左のメニューからImagesを選択

 Imagesの画面が表示されたら、右上の「Pull」ボタンをクリックします。

Images画面 Images画面

 「Image to Pull」の下の入力欄に取得するイメージの名前を入力します。Podman Desktopの場合、「Docker Hub」など、コンテナイメージの配布元(コンテナレジストリ)を明示する必要があります。Docker Hubからコンテナイメージを入手する場合は、先頭にdocker.io/library/を追記し、docker.io/library/httpdと入力します。その後、下の「Pull image」ボタンをクリックします。

取得するコンテナイメージを入力 取得するコンテナイメージを入力

 イメージのダウンロードが始まるので、ダウンロードが終わるまでしばらく待ちます。ダウンロードが終わると、先ほど選択した「Pull image」ボタンの名前が「Done」に変わります。「Done」ボタンをクリックします。

コンテナイメージの取得が完了 コンテナイメージの取得が完了

 すると、Images画面に戻り、先ほど取得したdocker.io/library/httpdのイメージが表示されています。

取得したコンテナイメージが表示される 取得したコンテナイメージが表示される

 取得したコンテナイメージは、このImages画面に一覧表示されます。

コンテナを実行してみよう

 取得したコンテナイメージを使ってコンテナを実行するには、先ほどのImages画面から、実行したいコンテナイメージの「▶」マークを選択します。

 早速、先ほど取得したhttpdコンテナイメージを実行してみましょう。

httpdコンテナイメージの実行 httpdコンテナイメージの実行

 実行するコンテナの設定画面が表示されます。前回同様、そのままではブラウザでアクセスしようとしてもネットワークが切り離されていて接続できないため、コンテナ側の80番ポートを公開するよう設定します。「Local port for 80/tcp」の右の入力欄に「12345」を入力し、最下部の「Start Container」ボタンをクリックします。

実行するhttpdコンテナの設定画面 実行するhttpdコンテナの設定画面

 すると、コンテナが実行されます。コンテナが動作しているのかどうか、ログで確かめてみましょう。

 表示されたコンテナ画面の「Logs」タブを選択します。Apache httpdのおなじみの起動ログが出力されており、正常に起動できていることが確認できます。

コンテナログの確認 コンテナログの確認

 それでは、ブラウザを使ってアクセスしてみましょう。localhostの12345番ポートにアクセスしてみると、レスポンスを得られることが確認できます。

ブラウザのアクセス結果 ブラウザのアクセス結果

 次に、前回同様にレスポンス内容を変えてみましょう。まずは、先ほどまで実行していたコンテナを停止させるために、右上の停止ボタンをクリックします。

コンテナの停止 コンテナの停止

 先ほどまでのコンテナを停止できたら、新しくコンテナを実行する画面で「Volumes」の下の左の入力欄にマウントするホスト側のパスを、右の入力欄にコンテナ側のパスをそれぞれ入力します。

 ここで指定しているindex.htmlは、前回作成したものと同じです。

ボリュームの設定 ボリュームの設定

 最後にポートの公開設定を先ほどと同様に12345番に設定したら、最下部の「Start Container」ボタンをクリックします。コンテナが起動できたら、同様にブラウザでアクセスを試みると、きちんとレスポンスの内容が変わっていることを確認できます。

レスポンス内容変更後の画面 レスポンス内容変更後の画面

コンテナの一覧表示

 現存するコンテナを一覧で表示する際は、左のメニューから「Containers」を選択します。

コンテナ一覧画面 コンテナ一覧画面

 この画面からコンテナを起動、停止、削除できます。「▶」ボタンでコンテナ実行、「⏹」ボタンでコンテナ停止、ごみ箱ボタンでコンテナを削除できます。

コンテナの実行、停止、削除 コンテナの実行、停止、削除

コンテナイメージの削除

 最後に、取得したコンテナイメージを削除するには、Images画面で削除するイメージの行にあるごみ箱ボタンをクリックします。

コンテナイメージの削除 コンテナイメージの削除

 次回は、PodmanやPodman Desktopでコンテナをグループ化するPod機能を解説します。

筆者紹介

鎌田啓佑

サイオステクノロジー所属。OSS よろず相談室でサポート対応をしているテクニカルサポートエンジニア。Ansibleに出会ってから自動化に取り憑かれ、自身の業務やプライベートであらゆるものの自動化に取り組む。プライベートではJavaでちょっとしたツールの開発を趣味にしている。

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