OpenAI、ターミナルで動作するAIコーディングエージェント「OpenAI Codex CLI」を公開　OpenAIの最新モデル「o3」「o4-mini」に対応　利用方法は？：提案、自動編集、完全自動の3モードでコーディングタスクを支援

OpenAIは、ターミナルで最新リーズニングモデルを利用できるオープンソースのコマンドラインツール「OpenAI Codex CLI」を公開した。

» 2025年04月22日 08時00分公開

[＠IT]

この記事は会員限定です。会員登録（無料）すると全てご覧いただけます。

　OpenAIは2025年4月16日（米国時間）、ターミナルで最新リーズニングモデルを利用できるオープンソースのコマンドラインツール「OpenAI Codex CLI」（以後、Codex CLI）を公開した。

　Codex CLIは、ローカルマシン上でコードの読み込み、変更、実行が可能な軽量コーディングエージェントとして機能し、機能開発の迅速化、バグの修正、未知のコードの理解を支援するという。

Codex CLIのデモ（提供：OpenAI）

　OpenAIは「『o3』『o4-mini』『GPT-4.1』を含むOpenAIの全モデルに対応する。ローカルで動作するため、ユーザーがソースコードの共有を選択しない限り、ソースコードは環境外に送信されない」と述べている。

Codex CLIの特徴

　「npm install -g @openai/codex」（または「codex --upgrade」）を実行するだけでCodex CLIの利用を開始できる。

　テキスト、スクリーンショット、または図をCodex CLIに渡し、それらに応じてコードを生成または編集させることができる。

　どの程度を手動で操作するのか、下記の3つのモードから選択できる。


モード	Codex CLIができること	用途
Suggest（提案）（デフォルト）	ファイルを読み込む。編集およびシェルコマンドを提案するが、変更やコマンドの実行にはユーザーの承認が必要となる	安全な探索、コードレビュー、コードベースの学習
Auto Edit （自動編集）	ファイルを自動的に読み書きする。シェルコマンドの実行前に確認を求める	副作用を継続的に監視したいリファクタリングや反復的な編集
Full Auto （完全自動）	現在のディレクトリにスコープされ、ネットワークが無効化されたサンドボックス環境内で、自律的にファイルの読み書きとコマンドを実行する	ビルドの破損修正や機能のプロトタイピングなど、休憩中に実行させたい長時間のタスク
3つの承認モード（提供：OpenAI）

　「codex --auto-edit」で自動編集モードに、「codex --full-auto」で完全自動モードに変更できる。

　なお、ディレクトリがバージョン管理下にない場合、Codex CLIは「自動編集」または「完全自動」モードに入る前に警告を発する。

　コンテキストを切り替える必要がなく、迅速な反復開発を実現する。

　Codex CLIは現在、macOSとLinuxを正式にサポートしており、Windowsサポートは実験的だ。Windows上で利用するには、Windows Subsystem for Linux（WSL2）が必要となる。

　OpenAIは、Codex CLIの利用開始方法について次のように説明している。

　まず、npmコマンドを実行してグローバルにインストールする。

npm install -g @openai/codex

　OpenAI APIキーを環境変数に設定する。

export OPENAI_API_KEY=「your-api-key-here」

注：このコマンドは、現在のターミナルセッションでのみキーを設定する。永続的に設定するには、シェルの設定ファイル（~/.zshrcなど）に「export」行を追加する必要がある

OPENAI_API_KEY=your-api-key-here

APIキーは、プロジェクトのルートディレクトリにある.envファイルに置くこともできる。Codex CLIは、.envファイルから変数を自動的に読み込む（dotenv/config経由）

　インストール終了後、下記コマンドを実行してインタラクティブモードで実行できる。

codex

　プロンプトを入力して実行する（オプションで完全自動モードも選択できる）。

codex "explain this codebase to me"

codex --approval-mode full-auto 「create the fanciest todo-list app」

　Codex CLIは、パッチやシェルコマンドの提案をインラインで表示する。承認または拒否するかどうかを必要に応じて調整する。

OpenAI、AIエージェント構築ツール「Responses API」「Agents SDK」を発表　どう役立つのか、事例も紹介
OpenAIは、AIエージェント開発の新しいツール「Responses API」と「Agents SDK」を発表した。
JetBrainsがOpenAI、Google、Anthropicの11モデルをベンチマーク比較　速度や知能別で優れたモデルを紹介
JetBrainsは、「JetBrains AI Assistant」がマルチモデルに対応し、開発者がタスクに応じて最適な大規模言語モデルを選択できるようになったことを受け、OpenAI、Google、Anthropicの主要モデルのベンチマーク比較結果を公式ブログで紹介した。
OpenAI、最新モデル「GPT-4.5」のリサーチプレビューを公開　ハルシネーションはどれだけ少なくなる？
OpenAIは、これまでで最も大規模かつ高性能なチャット向けモデル「GPT-4.5」のリサーチプレビューを公開した。「ChatGPT Pro」プランのユーザーと開発者が利用できる。