生成AIが2029年までにマーケティングの生産性を40%以上向上させる IDC予測「特定のマーケティングタスクの100%を処理できる可能性」

IDCは生成AI(人工知能)に関する予測結果を公開した。それによると、生成AIを企業のマーケティングタスクに適用すると、生産性が40%以上向上するという。

» 2024年04月15日 08時00分 公開
[@IT]

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 IDCは2024年4月1日、生成AI(人工知能)に関する予測結果を公開した。それによると、生成AIを企業のマーケティングタスクに適用すると、2029年までの期間で生産性が40%以上向上するという。

 IDCのエンタープライズマーケティングテクノロジー部門でリサーチディレクターを務めるジェリー・マレー氏は「2024年以降の5年間で、生成AIは特定のマーケティング業務の40%以上を処理できるレベルまで進化するだろう」と述べている。「生成AIの機能が急速に進化しているため、マーケティングリーダーは、役割、スキル、組織構造の根本的な変化に対応できるよう、スタッフに準備させる必要がある」

 IDCは、生成AI機能がマーケティングに及ぼす潜在的な影響を計算するために、管理と計画、ブランディングとクリエイティブサービス、キャンペーンとエンゲージメント、分析とレポート、その他という5つの主要な業務カテゴリーにわたって24の主要なマーケティング業務をモデル化した。次に、IDCは今後5年間で各作業カテゴリーのどれだけを生成AIが代用できるかを推定した。人員レベルとコストの見積もりを組み合わせて、大規模なマーケティングチーム全体に生成AIを導入した場合の生産性への影響を計算した。

 結果、生成AIはマーケティングチームの共同作業の40%以上、潜在的には特定のマーケティングタスクの100%を処理できる可能性があることが分かった。生成AIをマーケティングタスクに適用するメリットは、役割に関連付けられている人数や組織内の給与範囲によって企業ごとに異なるが、生産性の向上は、あらゆる規模のマーケティングチームにとって強力な指針となる。

 組織が生成AIを活用できるように準備するために、IDCは以下の手順の実行を推奨している。

  1. ベンダーがどのようなユースケースをサポートしているか、範囲と深さを評価し、それがどのようにビジネスの成果に直結し、投資が妥当なものになるかどうかを確認する
  2. ベンダーのアーキテクチャ、ツール、サービスリソースがユースケースのロードマップの実現をどれだけ効果的に促進できるか確認する
  3. 各タイプの作業をサポートするために必要なインフラストラクチャの規模を確定させる
  4. AI機能はタスク自動化レイヤーからではなく、データレイヤーから順に実装する。営利企業における生成AIの全インスタンスは、データ、ガバナンス、セキュリティなどの共通サービスを共有する必要がある
  5. 生成AIは、スキルアップや組織再編、一部の職種の廃止、他の職種の拡大、全く新しいキャリアパスの創設を必要とする可能性がある。そのような根本的な職務変更に向けて、対応できる従業員および組織を準備する
  6. データを準備する。リアルタイムで、クリーンかつ管理されたデータセットを持たない組織は、この新世代のマーケティングテクノロジーを最大限に活用することはできない

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