Tideliftは、オープンソースプロジェクトの開発者がメンテナンスに費やす時間と報酬に関する調査結果を発表した。
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Tideliftは、2023年5月16日(米国時間)、オープンソースプロジェクトのメンテナー(開発者)がメンテナンスに費やす時間と報酬に関する調査結果を発表した。それによると、経済的な報酬が与えられることで、開発者はオープンソースプロジェクトに対してより多くの時間とエネルギーを費やす傾向があることが分かった。
調査結果によると「自分はOSSの専門家で、収入のほとんどをOSSプロジェクトの維持から得る」と考える開発者の場合、81%が週に20時間以上をメンテナンスに費やし、93%が週に10時間以上を費やしていることが分かった。一方、「自分は趣味でメンテナンスをしており、そのための報酬はいらない」と考える開発者で、20時間以上をメンテナンスに費やしているのは2%、10時間以上でも4%しかいなかった。
「プロのメンテナーであり、収入のほとんどをプロジェクトのメンテナンスから得ている」(一番左)は、81%が「20時間以上プロジェクトに時間をかけている」が、「趣味でメンテナンスをしており、そのための報酬はいらないと考えている」(一番右)では、わずか2%(提供:Tidelift)Tideliftは「われわれが過去に実施した調査では、開発プロジェクトの90%以上が開発プラットフォームとしてオープンソースソフトウェア(OSS)を利用していることが分かっている。だが、そうしたOSSの開発者たちはボランティアとして働いていることが多く、プロジェクトの維持や問題の修正に時間を費やすために苦労している人々もいる」と指摘している。
同社のCMO(Chief Marketing Officer)のChris Grams氏は、「この調査結果は、自分たちのパッケージを安全で最新の状態に保つために、開発者にもっと多くの仕事を依頼しようと考えている私たちにとって重要な発見だ。『報酬を得ること』と『開発者がオープンソースに費やす時間の長さ』の間に直接的な関係があることを示す、今日までの最も明確な証拠となる」と述べている。
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