Azure Virtual Desktopの環境をAzure ADだけで構築するオプションが正式にサポートされました。
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Microsoftは2021年9月22日(米国時間)、「Azure Virtual Desktop」の幾つかの機能アップデートを発表しました。その1つが、Azure Virtual Desktopの仮想マシンをAzure Active Directory(Azure AD)に直接的に参加させるオプションの一般提供開始です。
これまで、Azure Virtual Desktop環境を構築するには、オンプレミス(またはAzure仮想ネットワーク上の)のActive Directoryドメイン環境と、Azure Virtual Desktopに関連付いたAzure ADのディレクトリ同期をセットアップするか、Azure ADと統合されたクラウド側の「Azure ADドメインサービス」を利用する必要がありました(画面1)。
画面1 これまではAzure Virtual Desktopのために、Azure ADと統合構成されたActive Directoryドメイン、またはAzure ADドメインサービスが必要だった。画面は、Microsoft Learnの「Azure ADとActive Directory Domain Servicesを統合する」(https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/modules/m365-prepare-for-wvd/3-integrate-active-directory)より新たに正式提供されたAzure AD参加の展開方法を利用すると、Active Directoryドメイン/Azure ADドメインサービスを使用せずに、Azure Virtual Desktop環境を構築できます。また、Azure ADのクラウド側だけでユーザー管理を含めて完結することができます。
なお、Azure AD参加のみの展開は「Windows 10 Enterprise バージョン2004」以降のシングルセッションまたはマルチセッションのホストプール(個人用/プール)でサポートされ、ホストプールの作成ブレードで選択できます(画面2)。
Azure Virtual Desktopをベースとした「Windows 365 Cloud PC」の「Business」プランは既にオンプレミスのActive Directoryドメイン環境なしで利用可能ですが(背後でAzure AD参加を使用)、「Enterprise」プランはオンプレミスのActive Directoryドメイン環境との接続が必須となっています。
Azure Virtual DesktopがAzure AD参加構成を正式にサポートしたことで、近い将来、Windows 365 Cloud PCのEnterpriseプランもオンプレミスのActive Directoryドメイン環境との接続が必須ではなくなることを期待しています。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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