デル・テクノロジーズは、中堅企業IT投資動向調査2020の追跡調査の結果を発表した。テレワークの実施率は大幅に増加したが、今後テレワークを継続しないと回答した割合も高かった。その理由は、「従業員のITリテラシー格差」にあるという。
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デル・テクノロジーズは2020年8月4日、同年2月に発表した中堅企業IT投資動向調査2020の追跡調査の結果を発表した。前回の調査結果と比較して、中堅企業のIT投資動向や顕在化した課題について分析した。テレワークが進んだ一方で、「コミュニケーションが取りづらい、時間がかかる」「Web会議やチャットツールの習熟度に個人差がある」といった課題も浮き上がった。
追跡調査は、2020年6月8日〜7月3日に、デル・テクノロジーズの顧客企業のうち、従業員が100人以上1000人未満の約470社に対して実施した。前回調査の実施時期は、2020年1月だった。
テレワークについては、実施している企業の割合が大幅に増えた。前回調査の25.1%に対して、今回の調査では63.9%だった。ただし、テレワークを実施していると回答したにもかかわらず、外部から社内システムに安全にアクセスする環境を構築しておらず、「社外から利用可能なITシステムは電子メールのみ」という企業が全体の60.7%だった。
今後も継続してテレワークを実施すると回答した割合は54.1%。テレワークを継続しないと回答した企業の多くは、その理由として「コミュニケーションが難しい、時間がかかる」「チャット・Web会議ツールなどの習熟度に個人差があり業務の円滑な進行を妨げる」といった「従業員の間でのITリテラシーの格差」を挙げた。
テレワークによってIT担当者の運用負荷が増加していることも分かった。ヘルプデスクを含むPC導入や管理、ネットワーク運用管理、情報セキュリティ管理に割かれる時間が全体で10%以上増加していた。
一方、2020年度の年間IT投資額については、前回調査とほとんど変わらなかったが、内訳を見るとセキュリティ対策費用が前回調査から大幅に増えており(22.9%増の198万円)、一方でBCP(事業継続計画)対策費用は減少していた(4.0%減の105万円)。デル・テクノロジーズは、テレワークの実施に伴い、セキュリティ対策への投資が進んだとみている。
デル・テクノロジーズは今回の調査結果を受けて、中堅企業に対して「働く環境支援」「仕事の仕方支援」「コミュニケーション支援」という3つの支援策を実施すること明らかにした。
「働く環境支援」は、主にテレワークに関するコンサルティングで、3カ月無償利用可能なPCレンタルも実施。「仕事の仕方支援」は、テレワークに向けたペーパーレス化を支援する。「Zoom」や「Microsoft Teams」といったWeb会議ツールの使い方に関する問い合わせの無償受付も2021年3月31日まで実施し、「コミュニケーション支援」は、テレワークに関連するITツールのオンライン講座を無償で提供する。
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