CS-1では、TensorFlowやPyTorchなど、主要なフレームワークに対応する。専用のコンパイラにより、ディープニューラルネットワークの各階層に適切な数のコアを割り当ててプログラムし、並列処理を実行できる。単一の処理を分担するコアは、できるだけ近いものを自動的に選択するという。また、大小さまざまなバッチを自動的に配置することで、CS-1の利用効率を高められるという。
CS-1は一般的な19インチラックに収まる15Uの装置。外部との通信では100Gbpsイーサネットを12本接続し、1.2Tbpsの帯域幅を実現できる。消費電力は2万Wで、「多いように聞こえるかもしれないが、(1U)サーバ15台の消費電力と変わらない」(ホック氏)。設置と初期設定は、分単位で済むという。
上述の通り、TEDはCS-1の受注を2019年12月19日に開始した。上善氏は、「国内のAIハードウェア市場を1000億円と見込んでいるが、そのうち10%をCS-1で獲得したい」と話した。
TEDはCS-1に関して、導入・構築・サポート、ソフトウェアソリューション提供と、トータルに顧客を支援していくという。同社は2020年の早い時期に、CS-1を東京・新宿の同社施設「TED AI LAB」に設置、顧客のPoC(概念検証)ニーズに対応する。
日本では既に、Web/インターネットサービス、自動車、流通、金融などの企業から、多くの関心が寄せられているという。切り売りをしたいというクラウドサービス事業者からの引き合いも多いという。
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