ヤマサ醤油は、SAPのERPスイート「SAP S/4HANA」を導入し、基幹システムを刷新する。会計や業務管理を統合し、業務の標準化や効率化を図るとともに、業務の可視化による現場力向上やデータに基づく意思決定の迅速化、市場競争力の強化を目指す。
SAPジャパンは2018年8月6日、ヤマサ醤油が、新たな基幹システムとしてSAPのERP(Enterprise Resources Planning)スイート「SAP S/4HANA」を採用すると発表した。2018年6月から導入プロジェクトを開始したという。
1645年創業の老舗醤油メーカーであるヤマサ醤油は、看板商品の「ヤマサしょうゆ」「ヤマサ昆布つゆ」など、日本の食卓に広く浸透した商品群を持ち、現在では醤油やつゆ、ぽん酢といった各種調味料に加え、醤油醸造で培った微生物の研究を基に医薬品類の製造販売も手掛けている。
そうした事業を支える現行の基幹システムは、会計は国産パッケージソフト、販売や生産などの業務はスクラッチ開発で構築したオリジナルのシステムで、オンプレミスで十数年間運用してきたという。
しかし、今後のメンテナンスのしやすさを考えて、属人化的なシステム運用を改め、業務の標準化や効率化を支えるIT基盤としての見直しが必要と判断し、2017年初頭から次世代基幹システムの検討を開始。
検討のポイントは、現場力向上のための“見える化”、経営の意思決定ができる情報提供の迅速化、製品別の収益性分析に基づく市場競争力の強化だった。複数のパッケージソフトを比較した結果、これらの条件を満たすSAP S/4HANAの採用に至ったという。
ヤマサ醤油では、SAP S/4HANAの導入によって業務管理レベルの向上を図り、次世代に伝統を継承する新たな経営基盤の確立を目指すとしている。
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